延滞の増加・信用の収縮とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 延滞の増加・信用の収縮の意味・解説 

延滞の増加・信用の収縮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 14:15 UTC 版)

サブプライムローン」の記事における「延滞の増加・信用の収縮」の解説

しかし、住宅価格上昇率が2006年入って以降急速に鈍化すると、予測されたことだが、サブプライムローン延滞率が目立って上昇始めた2006年末に住宅ローン全体の約13パーセント占めサブプライムローンにおいて利払いが3ヶ月以上滞る延滞率が13パーセント超えた担保住宅処分後により8割は回収できるとされるが、その想定が甘いとの指摘もある。また、サブプライムローン借りて差し押さえになった世帯10 - 20パーセントは、頭金がなしで、元金一度払ったとがないという点と、差し押さえまで最短でも1年かかる点を合わせて1年間当該住宅にただで住めたことになるという指摘もある。 債務者延滞顕著となってくると、次は、サブプライムローン貸し手である融資専門会社対す融資金融機関慎重になり、専門会社中には資金繰り悪化して経営破綻する例が出始めた。大手金融機関では貸倒引当金を増やさざるを得ず利益圧迫する結果になっている2007年3月13日大手のニュー・センチュリー・ファイナンシャルの経営破綻懸念されるとしてNYSEでの取引停止され上場廃止決まった3月20日までに連邦倒産法第11章に基づく資産保全申請した会社は4社、業務停止20社以上となったその後、ニュー・センチュリーは4月2日連邦倒産法第11章適用申請したサブプライムローン金融工学活用してリスク分散させるために、貸付債権として証券化分割され複数金融商品組み入れられた。サブプライムローン高率返済利息裏づけられた高利率を期待できる貸付債権であった一方で本質的に高いリスク内包するサブプライムローン証券化細分化して、他の安全な証券組み合わせて金融商品構成することで、リスク制御抑制することが出来ると考えられた。そもそもハイリスク・ハイリターン金融商品には高い利回りがつくが、サブプライム証券場合ローリスク・ハイリターンのように見せかけている。 さらに金融商品については、必ずしも構成要素サブプライムローン含まれていることを明示していないものがあった。また、サブプライムローン組み入れているものであっても大数の法則担保の提供によりリスク軽減されていると考えられた。しかし、実際にサブプライムローン延滞率が上昇してくると、全ての物件同じよう価格動向を示す等、従前想定異な状況呈して、必ずしも当初目論見どおりにリスクヘッジされなくなったその結果金融商品自体想定され利回り下回ったり、元本自体返済不能となったりする例が浮上してきている。 こうして、サブプライムローン信用リスク顕在化は、この債権組み込んだ金融商品そのもの信用リスク波及した更には、ある金融商品サブプライムローン債権組み込まれているかどうかが必ずしも明白でなかったことから、「リスク分散」の題目とは裏腹に現実サブプライムローンとは直接には無関係金融全体信用不安引き起こすというリスク拡散として機能してしまった。 2007年6月22日には、米大手証券ベアスターンズ傘下ヘッジファンドが、サブプライムローン関連した運用失敗したことが明らかになり、問題金融市場全体拡大したファンド中には資金繰り悪化して資金引出停止したり、解散決めたりするものが相次いだファンド大手金融機関から多額融資受けており、問題の拡大懸念された。ヘッジファンドは、高い利回り求めて住宅ローン担保証券中でもリスクの高いエクイティ債や、エクイティ債を組み込んだ債務担保証券好んで投資してきた。それらの債務担保証券には格付け機関信用保証をしていたために、世界金融機関もそれらの証券購入していた。 しかし、7月10日には米格付け機関ムーディーズが、サブプライムローン組み込んだ住宅ローン担保証券RMBS大量格下げ発表した。この結果投資家リスクマネー供給慎重になるなど、心理的影響波及懸念されている。さらに、この格下げタイミング後手回ったとして、格付け機関自体信用度疑問視して規制しようとする意見出ている。 また、サブプライムローンに関する問題は、いわゆる優良な顧客としての通常の債務者対象とする住宅ローンなどの貸付に関する貸付縮小動きにも繋がっていることから、限定され債務者対す貸付問題のみならず、より広く融資信用供与システム全体における動揺もたらしかねないとする懸念起こっている。

※この「延滞の増加・信用の収縮」の解説は、「サブプライムローン」の解説の一部です。
「延滞の増加・信用の収縮」を含む「サブプライムローン」の記事については、「サブプライムローン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「延滞の増加・信用の収縮」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「延滞の増加・信用の収縮」の関連用語

延滞の増加・信用の収縮のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



延滞の増加・信用の収縮のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのサブプライムローン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS