広域市町村圏移動図書館(1973-2005)
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「豊田加茂広域市町村圏移動図書館」の記事における「広域市町村圏移動図書館(1973-2005)」の解説
豊田加茂広域市町村圏とは、旧豊田市、三好町、藤岡町、足助町、旭町、小原村、下山村の1市4町2村(最終的には稲武町も含めた1市5町2村)からなっていた広域市町村圏である。愛知県三河地方のうち、西加茂郡のほぼ全域と東加茂郡のほぼ全域からなっていた。 これらのの自治体のうち、1973年時点で豊田市には豊田市立図書館があったが、4町には独立した建物の図書館はなく、公民館などに付随する図書室があるにすぎなかった。2村には図書室さえ存在しなかった。そこで1973年(昭和48年)12月、豊田加茂広域市町村圏事務処理組合の共同処理事務の一つとして移動図書館の運行が開始された。圏域住民から強い要望があったほか、圏域内の地域格差を是正するという組合の設立趣旨にもかなっていることから、すでに運行していた豊田市立図書館の移動図書館サービスを拡張する形で共同処理事務に組み入れたのである。 全国の広域市町村圏図書館(1978年)県名称圏域人口蔵書数貸出数愛知県 豊田加茂広域市町村圏移動図書館 31.3万人 58,000冊 332,000冊 岡山県 蒜山教育事務組合立図書館 0.6万人 3,000冊 1,000冊 岩手県 和賀中部行政事務組合図書館 7.4万人 32,000冊 128,000冊 島根県 益田福祉会館組合立はぎわら図書館 3.2万人 17,000冊 14,000冊 静岡県 島田・榛原地区広域市町村圏組合移動図書館 19.6万人 21,000冊 88,000冊 1971年度(昭和46年度)の豊田市立図書館の蔵書数は58,926冊だったが、この中から10,400冊をこの移動図書館用の巡回図書とし、「ふたば号」「わかば号」の2台の移動図書館車でサービスを開始した。1974年度(昭和49年度)には「みどり号」が増え、3台の移動図書館車で延707日間運行され、豊田市124か所、西加茂郡29か所、東加茂郡32か所、計185か所のステーションを巡回した。1975年度(昭和50年度)には図書館から「ひまわり号」を無償で譲渡された。貸出冊数は1979年度の400,939冊がピークだった、これは豊田市内に分館や分室が整備されて利用者が移動図書館から移行した結果であり、また1978年(昭和52年)に三好町に三好町立中央図書館が開館したためでもある。 1991年度の貸出冊数は約25万冊であり、蔵書回転率は270%だった。1992年度には計197か所のステーションを巡回し、計246,139冊を貸出した。ステーションの内訳は豊田市が100か所、三好町が26か所、藤岡町が15か所、小原村が9か所、足助町が23か所、下山村が13か所、旭町が11か所だった。1993年には運行開始から20周年を迎えたが、1993年時点で広域市町村圏を対象とする移動図書館サービスを実施していたのは、全国を見渡しても豊田加茂広域市町村圏移動図書館と静岡県の島田・榛原地区広域市町村圏組合移動図書館の2圏域しかなかった。1993年時点では豊田市、三好町、藤岡町、小原村、足助町、下山村、旭町の1市4町2村を巡回しており、その合計人口は約40万人、合計面積は850km2にも及んでいる。 2003年(平成15年)には北設楽郡稲武町が東加茂郡に編入され、豊田加茂広域市町村圏に加わった。2005年(平成17年)4月1日、藤岡町・足助町・稲武町・旭町・小原村・下山村の4町2村が豊田市に編入合併した。編入合併を機に豊田市中央図書館と旧自治体にあった各図書室がオンラインで結ばれると、豊田加茂広域市町村圏移動図書館の事業は2005年度末で廃止となった。最終年度となった2005年度は73か所のステーションを巡回し、計63,420冊を貸出した。ステーションの内訳は、豊田市が2か所、三好町が14か所、藤岡町が12か所、小原村が9か所、足助町が16か所、下山村が10か所、旭町が7か所、稲武町が3か所だった。豊田加茂広域市町村圏移動図書館の事業は2005年度末で廃止となった。なお、三好町は2010年に単独で市制施行してみよし市となっている。
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