巨大猿 ゴロー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 23:35 UTC 版)
「ウルトラQの登場怪獣」の記事における「巨大猿 ゴロー」の解説
第2話「五郎とゴロー」に登場。 幼いころに両親を亡くして野猿と共に育ったために人間と話せず、村人からは「エテキチ」と呼ばれて敬遠されている聾者の青年・五郎に懐いていたクモザルが、旧日本軍の体力増強剤青葉くるみを大量に食べた結果、甲状腺ホルモンのバランスが破壊されて巨大化した。伊豆の山中や淡島の海上ロープウェーに出現したことから、大騒動となる。 やがて、ゴローに与えるために農作物を盗み、村人によるリンチを経て警察に逮捕された五郎を探して街にさまよい出るが、警察の発砲がきっかけで暴れ出す。毎日新報の関デスクの提案で、五郎はゴローをイーリアン島に送るために釈放され、ゴローは五郎から与えられた好物の牛乳に仕込まれた眠り薬で眠らされる。 イーリアン島では日本兵が所持していた青葉くるみを食べ、ゴローと同様に巨大化したとうかがえる大猿が暮らしている。こちらの大猿は、豊富な食糧や島民たちの理解によって友好的な関係を築いている。 スーツアクター:福留幸夫 着ぐるみは東宝映画『キングコング対ゴジラ』で作られたキングコングの改造。顔は新調され、尻尾が付けられた。その後、この胴体は同じく東宝映画『キングコングの逆襲』のプール撮影用のコングに使われた。 五郎との交流シーンでは、実物大の手のモデルも使用されている。 本編は眠り薬入りであることを教えられず、自らの与えた牛乳で眠らされたゴローに対する五郎の心の絶叫(五郎は言葉を発せないため)で終わっているが、『ぼくら』昭和40年10月号に連載された絵物語では横浜港でイーリアン島行きの貨物船上の五郎とゴローを万城目たちが見送るという、後日談が加えられている。 シナリオでは「ヘリプロン結晶G」によって巨大化したという設定であり、撮影もこの通りに収録された。しかし、その後に武田薬品がスポンサーとなったことから、薬品を原因とすることが忌避され、設定を「青葉くるみ」に変更して一部の撮影とアフレコがやり直された。「ヘリプロン結晶G」バージョンの映像は、映像ソフトに特典として収録されている。資料によっては、青葉くるみにヘリプロン結晶Gが含まれているものと記述している。 前述の通り、イーリアン島には同様の過程で巨大化した猿が生息しており、島民と共存している。この猿は写真のみ劇中に登場し、着ぐるみもゴローと同一。コロタン文庫『ウルトラ怪獣500』(小学館、ISBN 4-09-281041-5)49頁や『円谷プロ全怪獣図鑑』では、イーリアン島の大猿と掲載されている。 第2クールの企画案には、「ゴロー対スペースモンスター(ガラモン)」のタイトルでガラモンと戦うプロットが存在する。 『総天然色ウルトラQ』では、当時の獣系の着ぐるみにはクマの毛皮が用いられていることから、ヒグマの毛皮を使用しているとの推測で着色された。放送当時の人工着色によるブロマイドも参考にされた。
※この「巨大猿 ゴロー」の解説は、「ウルトラQの登場怪獣」の解説の一部です。
「巨大猿 ゴロー」を含む「ウルトラQの登場怪獣」の記事については、「ウルトラQの登場怪獣」の概要を参照ください。
- 巨大猿 ゴローのページへのリンク