就役までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 19:44 UTC 版)
「クイーン・ヴィクトリア (客船)」の記事における「就役までの経緯」の解説
1998年にキュナード・ラインを買収した米カーニバル・コーポレーションは老朽化が目立ってきたクイーン・エリザベス2の代船を計画した。当初はカーニバル傘下のホランド・アメリカ・ライン向けに建造されたザイデルダム級の改良型・通算5番船をキュナード船「クイーン・ヴィクトリア」として建造する計画で 、2003年にイタリアのフィンカンティエリ社で建造が始まった。 先行して2004年に商業運航を開始したクイーン・メリー2が大成功を収めたため、カーニバル社ではクイーン・ヴィクトリアも乗客のクラス設定を定期航路と同等にするなど従来の性格を引き継がせて、客室や公室レイアウトなどさらに高級化を図る事が好ましいと判断した。その実現には既に起工された船体の手直しでは不十分であることから、船台に載せてあった船体はアーケイディア(Arcadia)として竣工させ同社傘下のP&Oクルーズ(英語版)で運行すると、「クイーン・ヴィクトリア」となる船体は2004年秋、改めてフィンカンティエリ社で建造にかかる。外見はザイデルダム級やアーケイディアに似ているが、船体は全長を11 m伸ばしパナマ運河通航上限となり総トン数も約5千 t増大、乗客定員も 2千名に増やした 上、クイーンメリー2 で人気を博した設備・設定を盛り込むことが決まった。 2006年5月12日の起工式に続き、内装の基盤や配線配管まで組み込んだ重さ 325 t の鋼鉄製の〈ブロック〉80個を造船所に運び込み、船台に組み付けていった。翌2007年1月15日、本船を船台から海に降ろすについて〈キュナードの4女王〉すべての建造に携わった同社社員モーリン・ライアン Maureen Ryan は船体をシャンペンで潤した。式典では伝統に従ってマスト(英語)に硬貨を置く儀式 – この時はユーロ硬貨とビクトリア金貨(英語)を1点ずつレーダーマストの根元に半田付けしている。 建造地のベネツィア港を離れ、2007年8月24日に本船の公試運転(en)開始、船主への引き渡しを経て同年12月7日にイギリスの母港サウサンプトンに到る。ファンファーレが鳴り響き、マスコミは女性王族が命名した イギリスの黄金時代を象徴する船名を連呼しては豪華な内装を熱心に放映し、「キュナード最高の豪華客船」と持ち上げた。
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