小野小町伝説とは? わかりやすく解説

小野小町伝説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 21:31 UTC 版)

房住山」の記事における「小野小町伝説」の解説

房住山には小野小町伝説残されている。小野小町眼病回復願いにやってきたとするものと、肌荒れ回復願って房住山山頂鎮座する地蔵拝みに来たという伝説がそれである。小野小町二段の滝で身を清めてから入山したもの高齢小町にとって房住山山道険しく、どちらの説でも途中で引き返している。眼病祈願説では足元から清水湧いてきて、その清水で目を洗った病気治ったとされ、そこで湧いた水の支流が、現在の下岩川地域小町清水とされる皮膚病祈願説は、登頂断念したのち遠くから地蔵拝んだ小野小町が留まっていとされる滝ノ上地域には小野姓が多い。また、上岩川地区には小町地区がある。 上岩川地区鬼首山神社岩川神社)には、『鬼首縁起』という神社由来記した文書残されている。 桓武天皇時代に、勢州鈴鹿山大長丸(大嶽丸)という賊がいた。その賊を討伐ようとして坂上田村麻呂鈴鹿山から秋田赤神山追い出して討伐した。その首をこの地に埋め鬼首権現とし、三神高皇産霊尊経津主神高皇産霊神)を勧請したその後仁明天皇時代に、小野小町房住山参詣しようとしたものの、房住山高山のために当社を仮に坊主山として毎日参拝しようとした。しかし、ここは周囲無く、口をすすぐ浄水もない。小野小町天地に祈るとたちまちにして岩の間から清水がしきりにあふれて、何ヶ月もの干ばつの時でも水の増減がない。そのは川に流れ、川は舟がなければ渡れない程になっていた。小野小町和歌書いた短冊その他の品奉納し、その坊主山薬師如来安置したその後年月流れ四条天皇時の天福元年1233年8月21日夜に火事発生し全ての品が灰燼化してしまった。 菅江真澄文化3年1806年)に、小町訪れその記録を「かすむ月星」に記している。 小町に来た。ここの由来3年前詳しく書いたことがある小野小町のゆかりのある小町清水たいそう清らかに岩川の東の岸に落ちていた。鬼首権現もようやく咲いている。 菅江真澄書いたとされる小野村由来」とは『小町寒泉』だと考えられるが、これは明徳館収められ菅江真澄書物の中では唯一の未発見本となっている。また『花の真寒泉』(1823年文政6年)では次のように記録している。 山本郡上岩河ノ荘に小町あり。其岩川河岸寒泉あり、小町清水といふ。いにしへ小野小町としいといと老いて雄勝の郡小野八十嶋に在りて河北の渟代(能代)の南の奥が奥なる、日高山に連(つらら)ぐ坊場(ぼんじゃう)の大日如来をまうでまく此処(ここ)までは来れど、老て身のくるしければ、ここに手あらひ身もきよまはりて、ふしをがみけるとなん語り伝ふ。 『月の出羽路仙北郡』(1826年文政9年)では秋田県横手市上境館の専光寺縁起加えて次のように記録している。 また説話(あるものがたり)に、小野小町身いたく老て関寺のあたりに吟ありきしが、故郷さすがになづかしくや思ひたりけむ、出羽ノ国に入り来て檜山ノ郷河北(かわきた)の(川北は今いふ山本ノ郡也)荘岩川といふ流に泝(さかのほり)て、梵場が嶽に攀登(よぢのぼ)らまくおもへど老て身に力なければ、すべなう泉に手あらひ口そそぎ、麓に立てふし拝(をがみ)ぬといへり。其泉を小町清水とも云ひ、そこを小町とてなほあり。 錦仁は『浮遊する小野小町』で、これらの記録考察し、『花の真寒泉』では「~となん語り伝ふ」とあるので「雄勝郡から房住山参拝するためにやってきた」という話は真澄村人の話を採録したと見て良いとしている。しかし、雄勝々に小町ゆかりの遺跡多数あることを理由として、雄勝小町生没地であることが真澄結論であろうとしている。つまり、小町雄勝郡生まれ宮城県玉造郡成長し都にのぼって活躍したが、やがて年老いて都を去ることになり、はるばる都から歩いてきて、まず山本郡立ち寄り房住山遥拝し、そして雄勝郡帰ってきて村はずれ岩屋乞食をしていたが、やがて没したということ真澄結論だとしている。

※この「小野小町伝説」の解説は、「房住山」の解説の一部です。
「小野小町伝説」を含む「房住山」の記事については、「房住山」の概要を参照ください。

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