小中華の理念とは? わかりやすく解説

小中華(小華)の理念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 19:41 UTC 版)

小中華思想」の記事における「小中華(小)の理念」の解説

小中華)とは明か冊封受けていた『朝鮮李氏朝鮮)』が、天朝呼んでいた明王朝の『中華』に対し、自らを支の国として『小』を自称したことに始まる。 司馬遼太郎著書この国のかたち』の中で、朝鮮王朝は「中国に在(いま)す皇帝をもって本家とし、朝鮮王家分家であるという礼をとった。地理的に蛮地であっても思想的には儒教であるため、大いなる一部をなすという考え方による」と記す。さらに「李氏朝鮮では中国(明)のことを『天朝』と呼んで尊んだ中国皇帝天命によって地上支配する唯一人であるがために、支の国としてそうよぶのが『礼』であった」と説明している。 さらに司馬遼太郎同書の中で、「近代以前中国)を中心に冊封」という国際秩序があり、李氏朝鮮明か冊封をうけていた。例え朝鮮太祖である李成桂(1335~1408)は、1392年7月王位につくと、同年11月明に使い出して国号の『朝鮮』を選んで貰った行為など(もう1つに『和寧』案があった)は、典型的な冊封』の形とされる」であると説明する。さらに「朝鮮では明の年号使用するとともに両国儒教という思想共有し祭典もまた朝鮮は明の礼制に合わせた朝鮮固有のシャーマニズム淫祠し、また廃仏毀釈仏教弾圧)をおこなって、儒教優位性高め観念の上では中国上の儒教国家となった」とし、「やがて本流である中国の「中華」に対し、支の国として『小小中華)』と称するうになる」と同書の中で述べる。そして「小である以上、その徳に服する蛮()が必要となる。このため他の国々日本琉球満州一部など)が(思想的に)それらに当て嵌められた」と関係性述べ、「この理(空論)によって日本蕃国野蛮国)とされた。ただ朝鮮という朝貢てこないのは、日本それだけ無知だったという形式論になった」と説明する。 さらに司馬遼太郎著書韓のくに紀行』の中で、「儒教というものは、日本にあっては紙で木版画印刷され書物というかたちをとりつづけてきたが、中国ではもっとおそるべきのである」と記す。それは「漢以来、(儒教が)統治原理であり、多分に体制そのものであり、これを統治させるものからいえば人間関係唯一の原則で、人間あるかぎりこれ以外の習俗はない」と儒教思想とその体制ありよう説明する。そして「李朝五百年間中国儒教体制模範生であった朝鮮は、中国歴代王朝から、『東方儀礼ノ国』とほめられつづけたように、習俗として礼教を重んじつづけてきた。むろんそれは形式主義であってもかわまない。むしろ形式主義こそ国家人間秩序にもっとも大切な物だというのが、儒教的思考法である」と書き述べている。 また朝鮮の礼について司馬遼太郎著書この国のかたち』のなかで、朝鮮は「の国である明にたいして、『事大』の礼をとり、明を天朝呼んだ事大とは大に事(つか)えるということで、後にその語感のわるさが民族的自尊心をわるく刺激したが、当時事大こそが礼教に適うとされた」とする。『事大』の典拠について、司馬遼太郎は「孟子に、小国大国に事(つか)えるほうがいい(小ヲ以テ大ニ事エル者ハ天ヲ畏ルルナリ)」をあげている。 さらに司馬遼太郎同書の中で「朝鮮王朝李氏朝鮮)が儒教国教とするの14世紀末のことで、16世紀には李退渓現れ朝鮮朱子学確立された」「朝鮮は『東方儀礼ノ国』などと言われたが、この儀礼とは儒教イデオロギーをさす」と記している。

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