家形埴輪とは? わかりやすく解説

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家形埴輪

主名称: 家形埴輪
指定番号 499
枝番 01
指定年月日 1995.06.15(平成7.06.15)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書 大阪府八尾市美園町美園古墳出土
員数 2箇
時代区分 古墳
年代
検索年代
解説文: 本件は、美園古墳周溝から出土した家形埴輪と壺形埴輪である。
 本古墳含まれる美園遺跡は、河内平野流れ長瀬川自然堤防上に立地し昭和五十六年に、近畿自動車道建設先立って調査が行われ、弥生時代墓域を伴う集落跡と、古墳時代前期小規模な方墳検出された。美園古墳命名されたのは後者で、一辺七・二メートル、すでに墳丘は削平されており、周溝のみが遺存していた。この周溝内からは、家形埴輪二箇と壺形埴輪五箇体以上、それに土器小片多数出土したが、本件このうち昭和六十二年に国保となった復元可能な家形埴輪二箇と、壺形埴輪三箇である。
 家形埴輪1は入母屋造高床住居いりもやづくりたかゆかじゆうきよ】で、大棟おおむね】の妻【つま】部分棟木【むなぎ】を支える斗【ます】や束【つか】を表現し、また屋根部分には【ひれ】状の飾り室内にはベッド施設設けるなど、細かな表現をしている。特にこのなかでベッド状の施設は、敷物敷いた状態を細かな沈線表現した、他に例のないものである。さらに、室内にはベッド施設以外の床・内壁に赤彩が施され、赤彩された外壁四面には、細密な沈線で「盾」を描く。
 家形埴輪2は、切妻造きりつまづくり】の倉庫思われる建物で、外壁壁材留めたらしい施設綾杉文【あやすぎもん】で表現したり、入口内部に扉の軸受け思われる環【かん】を取り付けるなど、やはり細かい表現なされている。
 壺形埴輪は、三箇とも同じ形態で、口縁部朝顔形埴輪似て広く外反し、胴部は肩から体部上半最大径がある。体部下半から底部にかけて急速に細くなり、底径は約一〇センチ開口する。口縁部中段頚部に各一条の突帯が巡り外面全体刷毛目調整残り、赤彩がある。なお、本古墳通常の円筒埴輪伴わない
 本件は、小規模な古墳周溝出土品であるが、特に家形埴輪二箇はいずれ建物表現写実的で、前期古墳における埴輪表現の特徴をよく示しとりわけ表現建物内部構造にまで及ぶ点は、他に例がない。四世後半河内平野における埴輪群の構成を見る上で欠かせないのであると共に、この時代住居倉庫の二種類構造建築様式を知るうえで、極めて重要な資料である。




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