家形埴輪と壺形埴輪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/22 03:17 UTC 版)
出土家形埴輪(国の重要文化財) 大阪府立近つ飛鳥博物館展示。 埴輪類は精巧な家形埴輪2点と壺形埴輪25点以上で構成されていた。家形埴輪2点は北側周濠コーナー部分より出土しており、1点は入母屋造 高床式住居(平面2間×2間)を表現したもので、高さ70cm、棟の最大長75cm、桁行最大長55cm、梁行の最大長45cmであった。外面全体と内部の一部をベンガラで赤く塗布され痕跡がある。内部には床部分とそれより、3.5cm高くしたベッド状施設を設け、外面の4面の中央にはそれぞれ、線刻で盾を描いている。それらの盾には鋸歯文による文様が施されていた。この家形埴輪は、かなり精巧に作られており、当時の首長の家を忠実に再現している可能性が大きいとされる。 もう1点の家形埴輪は切妻造倉庫(平面2間×2間)を表現しており入口が1箇所認められる他は窓が設けられておらず、倉庫を表現していると思われる。高さ31cm、棟の長さ60cm、桁行最大長は約42cm、梁行最大長は約38cmであった。外面はやはりベンガラで塗布されていた。壺形土器は朝顔形円筒埴輪と類似した形状のものが多く、底部には10cmほどの孔が焼成前からあけられており、当初から埴輪として製作されたものとかんがえられるという。 これらの家形埴輪2個と壺形土器の内3点は重要文化財に指定されている(文化庁蔵、大阪府立近つ飛鳥博物館保管)。
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