実生苗の発芽生長、越年根茎からの発芽と栄養繁殖での小 - 中群落の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 15:29 UTC 版)
「タケニグサ」の記事における「実生苗の発芽生長、越年根茎からの発芽と栄養繁殖での小 - 中群落の形成」の解説
土中に混入していた種子がある土地が、他の植物の伐採、大規模な除草、崩落や造成等が行われて、植物がない状況になり、陽光が種子に到達することにより休眠打破が行われ、土中に混入して休眠状態であった種子が一斉に芽吹く、パイオニアプランツ(先駆け植物)として知られている。もともとケシ科の植物であるため、種子もいわゆるケシ粒で、微細である。そのため、実生(みしょう)苗の新芽も非常に小さく、双葉(子葉)はそれぞれ2 - 3mmの楕円形で、双葉の着く茎も非常に細い。根も糸状で細く3 - 5mm長くらい。茎の形状も糸状で高さ3 - 5mmくらいで、最初に出て来る本葉には、細い糸状の長さ3 - 5mmくらいの葉柄があり葉身の大きさは3 - 4mmくらいの長さと幅で、葉縁の形状は、鋸歯が少なく全縁に近いものが多い。個体差で1枚目の本葉にも浅裂を呈して星形状になる個体も存在している。 育つにつれ出葉する本葉の葉身の葉縁に浅裂の切れ込みが多く入ってくる。深裂または中裂が4つくらいできて5裂片くらいで、はじめはただ凹むだけであるが、生育を続けるほどに、だんだんと葉縁に細かな切れ込みも増え、深裂または中裂と浅裂の鋸歯が混ざっていく。初年の葉の切れ込みや鋸歯は鈍めで粗く丸みを帯びているこの初年時の茎の径は、生育して高さが2000mmくらいになっても、直径15mmくらいまでである。この初年の茎はまだ細いので、個体差によって茎の中心部の空洞が細く、中が空ではないように見える個体も存在する。固体差もあるが、葉の切れ込みや鋸歯は初年は粗めで鈍形である。多年生草本であるので、晩秋には地上部は枯死するが、地中の根(根茎)は生存している。真冬の寒気によって休眠打破が行われ、温度の上昇を待つことになる。春季になり気温が上がりだすと、2年目以降では前年に枯死した茎の脇から、既に前年に種子から発芽して、双葉は出し終わっているために、芽吹きから本葉の芽を出してくる。このときの茎は内部にはっきりと空洞が認められる中空の茎である。越年の根(根茎または地下茎。先に挙げた「大人世代の優しい暮らし『タケニグサの乳汁と地下茎根に苦戦』の写真も参照)から出る新芽の葉は、葉縁に波状の不規則で細かなな浅裂状の鋸歯がある葉を出し、生育するに従い出して来る葉の葉縁には、はっきりとした切れ込みが細かく入り始め、芽の時の葉縁に細かく鋸歯が確認できる葉が出て来ていると、その葉が育つと大型化して、普通のタケニグサに見られるような菊の葉状になる。上記の通りに、近い種類にケナシチャンパギクと呼ばれる、葉の裏に毛のまったく生えていない株がある。葉の裏に毛が生えていない他は同形状で、個体差の形状も生育もタケニグサと同様である。種子にはアリロイドという種子枕がありエライオソームというアミノ酸、脂肪酸、糖分でできている種子枕があり、蟻によって収穫され、蟻に好まれるエライオソームが取り外され、巣に持ち帰られると、種子は廃棄される。そのことによって播種が行われる。蟻散布植物の一つである。その時の場所が、適している陽光地であれば、翌春に直ぐに発芽をし、適していなければ、休眠状態に入り、最適な状況を待つことの可能な植物である。適した陽光向地に種子が落ちた場合には、翌春にすぐに花芽をして生育し、夏期に開花結実し秋に休眠に入り、地上部は枯死するが、地下の根茎は生きており、真冬の寒気で休眠打破が起きる。翌春に本葉の芽を出す。あるていど生育をすると、根茎から2つ以上の芽を出す栄養繁殖を始める。開花結実は毎年続くので、ケシ粒の種子を多く散布し、数年を得た株は、1つの根茎から2つ以上の芽を出す栄養繁殖も行うために、1箇所から束生をする他に、周囲に種子が撒かれて発芽するので、しばしば小 - 中群落を形成する。場合によって最敵地であり、幾株かが数年生育をしてきていて、おのおのが栄養繁殖を行い、最敵地で種子が休眠に入らずに、適当な位置に蟻の巣が点在し、種子枕(アリロイドのエライオソーム)を収穫して種子を周囲に廃棄していく。そのために、小 - 中群落を形成していくことがあるが、まれに一面に生育をしている大群落を形成して、初夏から猛夏に掛けて生長した茎頂に白花を一面に開花をさせている箇所に出会うこともある。
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