実生苗との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 13:49 UTC 版)
挿し木苗は根を出し成長しても枝の性質を残しているということがしばしばいわれ、挿し木苗と実生苗を比較した場合、根系や成長の具合に差が出ることが幾つかの植物で報告されている。コリウスなどの例では実生苗と栄養苗では成長速度に特に顕著な差があり、栄養苗は短期間でより大きな株に育つ。このため、より大きな株にしたいなら栄養苗、あまり大きくしたくないなら実生苗という使い分けを苗の購入時にできる。 ガウラなどの冬季に地上部が枯れるタイプの宿根草の場合、通常は冬は挿し木を行わないが、室内管理などをすることであえてそれを行い、春に宿根株や実生苗が芽吹き始めるころには、すでに地上部がある程度まで育っているため、より早く大株にしたり早めに花を咲かせ始めたりすることが可能になる。これとは逆に、夏に地上部が枯れる宿根草もクーラーハウスなどを用意して通常は行わない夏の挿し木をすることにより、同様の効果を得ることができる。 パキラでは、実生苗と挿し木による栄養苗では外観からして明らかに性質に大きな差が出て、挿し木苗では幹元の肥大も無く、生長も極端に遅く花も咲かせなくなる。このようなことになる理由は植物学の専門家たちの間でさえ現在でも謎のままであるが、長年ほとんど成長しないこの性質はデスク横に置くグリーンインテリアなどには最適でもあり、重宝されている面もある。
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