宝飾品としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 22:55 UTC 版)
「いぶし銀」はこの項目へ転送されています。TOKIOの楽曲については「Graffiti (TOKIOのアルバム)」をご覧ください。 銀は、その白い輝きから宝飾品としても広く利用されてきた。貴金属のなかでは比較的産出量も多く安価であるため、日本では特にシルバーアクセサリーとして若者向けの宝飾品として人気があるが、最近は一般的にも用いられるようになっている。こうしたアクセサリーに使用される場合、黒ずみにくいようにロジウムなどによってメッキが施されることが多い。 特にヨーロッパにおいては、銀食器の使用はステータスを示すものとされて珍重され、ナイフ、フォーク、皿、燭台、ポット、その他多種多様な銀食器が製造された。銀が比較的安価になりかなり多くの家庭に手が届くものとなっても銀食器の珍重は続いた。また、銀は金ほどではないが展性に優れ薄く延ばしやすいので、銀箔も多用される。このほか、絵の具として銀泥も使用される。 宝飾品などとして利用する場合、純銀では柔らか過ぎて傷つきやすいうえ、酸化しやすくすぐに黒ずむ性質があるため、他の金属との合金の形で利用される(この混ぜる金属を「割り金」と呼ぶ)。日本では一般的に銅を混ぜるが、加工性や高硬度のため他の添加金属を用いることがある。古代エジプトでは銀は金よりも価値があり、金製品に銀メッキが施された宝飾品が存在する。 カラー配合 プラチナを混ぜたプラチナシルバーや金・パラジウムを混ぜたシルバー、また色合いを変えたイエローシルバー、ピンクシルバー、グリーンシルバー[要出典]などもある。Silver900 (SV900): コインシルバー。各国の銀貨の多くがこの配合であるためこの名がついた。 Silver925 (SV925): スターリングシルバー(品位記号 Sterling)。イギリスの銀貨の品位であり、宝飾品用としても最も一般的な品位である。硬度や耐久性に優れた配合である。 Silver958 (SV958): ブリタニアシルバー(品位記号 Britannia)。その名の通り、一時イギリスがスターリングシルバーから銀貨の品位を高めてこの割合にしたためこの名がついているが、この割合では軟らかすぎるためにもとのスターリングシルバーに戻されたいきさつがある。 Silver1000 (SV1000): 純銀、ピュアシルバー シルバーの記号 記号の SV は一般的に用いられているが、国際的には認知されていないので、社団法人日本ジュエリー協会は、元素記号である Ag の使用を推奨している。SV900 ⇒(推奨)Ag900 SV925 ⇒(推奨)Ag925 純度について 造幣局では、貴金属の品位証明を行っているが、銀の品位区分を999, 950, 925, 900, 800(千分率 : ‰)の5種としている。これに対してジュエリー用貴金属の純度を決めている ISO 9202(国際標準化機構)と JIS H6309(日本産業規格)では925, 835, 800の3種としている(造幣局区分と異なり925を上回るものがなく、また900の代わりに835がある)。これらは品位区分であって、市場に出る地金として認めるとか認めないとかいう観点とは異なる。 流行のピンクシルバーはほぼ500 ‰(割り金は銅)であり、変色しない銀としてかつて用いられたソフトホワイトは500 ‰(割り金はパラジウム)である。また、朧銀(おぼろ銀)は、 四分一(しぶいち)といわれ、銀が250 - 600 ‰の各種合金で、伝統工芸品、美術品、宝飾品に用いられている。 ※なお、記号「‰」についてはパーミルを参照されたい。 その他 銀製品は、年月を経ると空気中の硫黄分と反応して黒ずんでくるが、これを燻し銀(いぶしぎん)と呼んで愛好する向きもある。また、強制硫化やめっきをして人為的に燻した銀古美仕上げもある。
※この「宝飾品としての利用」の解説は、「銀」の解説の一部です。
「宝飾品としての利用」を含む「銀」の記事については、「銀」の概要を参照ください。
- 宝飾品としての利用のページへのリンク