朧銀とは? わかりやすく解説

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おぼろ‐ぎん【×朧銀】

読み方:おぼろぎん

細工器物表面梨子地(なしじ)にして光沢消したもの。

3、銀1の割合合金装飾品などに使う。


朧銀(おぼろぎん)

江戸時代後期流行した金工作品の素材一種の量が四ないし三に対して銀を約一加えたことにより四分一とも呼ばれ素材の色が春霞に浮かぶ朧月思わせる独特の銀緑灰色呈すころからこの呼称がある。と銀の正確な混合比率定まっておらず、銀の量によって色合い微妙に変化し金工作品の色金として多く用途持たれた。最も表面変質し易い素材であるところから取扱には特に注意が必要である。

四分一 (合金)

(朧銀 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/11 10:25 UTC 版)

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明治時代の青銅の鋳物
金、赤銅、四分一、銅で装飾されている。ヴィクトリア&アルバート博物館

四分一(しぶいち)とは金属工芸で使われてきた日本古来の色金(いろがね)のひとつで合金である。合金における銀の比率が四分の一である事から名付けられた。 煮色仕上げで美しい銀灰色を示すことから朧銀(ろうぎん、おぼろぎん)とも呼ばれる。 朧銀には他に銀の表面に梨地(なしぢ)をつけ光沢を消したものも含まれる[1]。 

「四分一」の種類

四分一には銀の含有率は23-60%の幅でいくつか異なった合金があり、異なった色合いを呈する。 より銀の含有量が多くなると白っぽくなる[2][3]

種類 銀:銅 +金の割合[4] 備考 色はいずれも煮色仕上げ後のもの
(並)四分一 25:75 金微量 暗い灰色
白四分一 
(金一分差し)
60:40 +1 白っぽい灰色 硬く加工しづらい、融点は低い
上四分一 
(金一分差し)
40:60 +1 灰色、硬く加工しづらい
並四分一 内三分 
(金一分差し)
30:70 +1 濃い灰色
並四分一 外三分 
(金一分差し)
23:77 +1 内三分より、さらに濃い灰色

黒四分一 (金一分差し) 

これは上記の「四分一」とは異なり、「四分一」を40%と「赤銅」を60%合わせたものに、さらに金を1%混ぜた合金である。 煮色仕上げで赤銅の青みがかった黒とは異なった黒色が得られる。仮に三分挿し(金3%)の赤銅を使ったとして、銀9.9%、銅87.3%、金2.8%の比率となる。

注)

  • 「金一分差し」とは母金10(100=37.5gr)に対し1分の金という意味である。
  • 「並四分一」の「内・外三分」の「三分」は正確ではないが、それぞれ銀を3分増量または減量という意味である。

脚注

  1. ^ kotobankー大辞林 「ろうぎん朧銀」 閲覧2012-9-1
  2. ^ GeoCities 「四分一」 閲覧2012-9-1
  3. ^ 大阪府立産業技術総合研究所 「科学者でない人のための金属のはなし」 閲覧2012-9-1
  4. ^ 金の比率は銀と銅を混ぜた後に1%の割で追加したものである

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、四分一 (合金)に関するカテゴリがあります。

  • 色金 - 日本古来の合金で金、銀、銅などを様々な比率で混ぜたもので、独特の色合いを持つ。四分一、赤銅青銅黄銅など
  • 煮色仕上げen:patination) - 緑青、丹礬、明礬などを混ぜた液で煮出し、表面を酸化させ色を出す。
  • 木目金en:Mokume-gane) - 様々な色金を積み重ね、加熱圧着(鍛接)し、曲げや捻りを加え鍛造を繰り返すことにより木目状の層を作り出し、煮色仕上げにより色合いを出したもの。



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