安楽死
『高瀬舟』(森鴎外) 喜助は、弟が剃刀で自殺をはかり、死にきれずに苦しむのを見て、請われるままに手を添えて死なせた(*→〔見間違い〕4a)。喜助は弟殺しの罪で遠島となり、京の高瀬川を小舟に乗せられて下る。護送の同心・羽田庄兵衛は、「果たしてこれが罪であろうか?」と疑念を抱くが、「奉行の判断に従おう」と思う。
★2.不治の病気の人を安楽死させる。
『裁きは終りぬ』(カイヤット) モーリスは不治の癌におかされたため、愛人である女医エルザの手を借りて安楽死する。しかしモーリスが遺産をエルザに与えたので、モーリスの妹ニコルが「財産目当ての殺人だ」と、エルザを告発する。裁判の席上、ニコルは「モーリスが病気になった後に、エルザは若い愛人を作った」と暴露する。陪審員たちが議論し、「無罪」との意見も出たが、結局「懲役5年」の判決がエルザに下された。
『ブラック・ジャック』(手塚治虫)「ふたりの黒い医者」 ドクター・キリコは、もと軍医だった。兵士たちが爆弾で身体をふきとばされ、苦しんでいるのを安楽死させて、彼は皆から感謝された。彼は、難治患者の安楽死専門の医者となり、「死神の化身」とあだ名される。ある時、ドクター・キリコに安楽死を依頼した患者を、ブラック・ジャックが手術して治した。しかしその直後に、患者は自動車事故で死んでしまった。ドクター・キリコは哄笑し、ブラック・ジャックは「それでも私は人を治すんだ。自分が生きるために」と叫んだ。
『子不語』巻6-136 ある男が「安楽に死にたい」と願い、「それには酒と女で健康を害するのが一番だ」と考える。しかし数年間酒色にふけっても、男は死ねなかった。彼は督脈(=人体の中央を貫通する血管)が切れ、頭が垂れ下がり、背は丸くなって、煮た蝦(えび)のごとく、這いつくばるように歩いた。人々は彼を「人蝦(ひとえび)」と呼んだ。こういう状態が20年余り続き、84歳でようやく死んだ。
★5.安楽死施設。
『ソイレント・グリーン』(フライシャー) 2022年のニューヨーク。生きる望みを失った老人ソルが、公営の安楽死施設「ホーム」へ行く。ソルは清潔なベッドに寝かされ、大自然の美しい風景の映像を見ながら、彼の好きなベートーベンの田園交響曲を聞きつつ死んで行く。「ホーム」で死んだ人々の遺体は工場へ集められ、加工されて、ソイレント・グリーンと呼ばれる食糧になるのだ→〔人肉食〕8。
安楽死と同じ種類の言葉
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