娯楽作品における着色化とは? わかりやすく解説

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娯楽作品における着色化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 03:14 UTC 版)

映画の着色化」の記事における「娯楽作品における着色化」の解説

1980年代半ば白黒映画天国漫歩』が初め着色化されると、大きな議論巻き起こった着色処理の擁護派は、着色すれば白黒映画不慣れな人々旧作を見るようになり、新たな観客層の掘り起こしにつながる、と主張した。それに対しウディ・アレンロジャー・イーバートジェームズ・ステュアートジョン・ヒューストンといった反対派は、着色化という行為無礼な行為で、仮に映画洗練されたにせよ、白黒映画前提として照明調整され映像カラー化しても意味のある結果となると限らない、という点を考慮入れたものにはならないだろう、としている。 一方俳優ケーリー・グラント着色された『天国漫歩』の成果強い関心示したといわれるグラント熱意動かされて、映画監督フランク・キャプラ『素晴らしき哉、人生!』や『群衆』、『一日だけの淑女』の着色化についてウィルソン・マークルと話し合った。カラーライゼーション社のブライアン・ホームズは、『素晴らしき哉、人生!』着色した10分間映像見せ、これを見たキャプラ同社契約結んだ。しかし、これらの作品は既にパブリック・ドメインになっていることがわかり、結局ウィルソン・マークルとブライアン・ホームズはキャプラそれまで投資した額を返還出資拒んだ上でキャプラ自分監督作着色理に口出しできないようにした。このような仕打ちは、キャプラ反対派陣営加えることになったメディア王テッド・ターナーはかつて着色に対して積極的に賛成していて、サンディエゴ企業アメリカン・フィルム・テクノロジーズに着色化をさせていた。ターナー報道関係者に『市民ケーン』着色化をしたいと発言したところ、国民からは抗議起こったオーソン・ウェルズ自分最初契約の中で映画支配権自分持ち続けているとしており、この映画ウェルズもしくは彼のエステート無断編集することは許さないとしており、「テッド・ターナー彼の嫌なクレヨンから私の映画守ってくれ!」という言葉を遺した。Turner Pictures実際のところこれが近く行われる計画ということ公表したことがなかった。後にターナー本人着色化の批判者刺激するためのジョークだと弁明しそれ以来彼は着色化のことを話題上げことはなくなった。1992年にターナー・エンタテインメントは自社管理作品着色処理をやめ、1990年代半ばまで着色化の議論はほとんどされなくなった。 しかし、DVD技術導入された際、再び着色化の話題巻き起こったDVD規格はより機能増しディスク裏返さずにオプションでモノクロ・カラーを選ぶことができるようになったため、着色化した映画出せばもうかると考えられるようになり、1980年代着色化を施した映画販売再開する会社出てきた。イギリスにおいてボックスセット販売されローレル&ハーディ出演作がその一例である。また、ソニー・エンタテインメントなどでは新たに着色が行われ、最近では『三ばか大将』のDVDボックスセットにウェスト・ウィング・スタジオ(West Wing Studios)が新たに着色化したバージョン収録されたことが大きな話題となった。ウェスト・ウィング・スタジオは、どのように着色化すればよいかを調べるために、撮影当時使用され大・小道具手に入れた映画とテレビ番組復元着色化を行っている会社はレジェンド・フィルムズ(Legend Films)である。レジェンド・フィルムズの特許である自動着色システム2003年から2007年まで100本の映画に色をつけてきた。シャーリー・テンプルジェーン・ラッセルテリー・ムーアレイ・ハリーハウゼンは、自分出演作個人的に気に入っている映画の着色化を行うために、レジェンド・フィルムズに協力してきた。エクスプロイテーション映画リーファー・マッドネス 麻薬中毒者の狂気』の着色処理では、観客サイケデリックな感覚味わわせるために特殊な配色選ばれた。最低な映画名高い『プラン9・フロム・アウタースペース』着色処理も同社担当した2007年にレジェンド・フィルムズは、パラマウント映画『素晴らしき哉、人生!』パラマウント映画の子会社であるリパブリック・ピクチャーズ1990年代にこの映画の著作権取り戻した)を、翌年にはユニバーサル・ピクチャーズの『スイング・ホテル』(Holiday Inn)を着色化したソニー・ピクチャーズ・ホーム・エンタテインメントは、『奥さまは魔女』の第1シーズンDVDリリースした。この作品第1シーズンモノクロ映像であるために、モノクロ版着色化版がそれぞれ発売された。翌年に『奥さまは魔女』の第2シーズン『かわいい魔女ジニー』第1シーズン販売した際も同じ方法がとられた。なお、これらの作品着色化を担当したDynacs Digitalインドパトナにあったが、2003年アメリカ合衆国フロリダ州拠点活動するウェスト・ウィング・スタジオに買収された後は、ゴアに製作スタジオもうけられた。

※この「娯楽作品における着色化」の解説は、「映画の着色化」の解説の一部です。
「娯楽作品における着色化」を含む「映画の着色化」の記事については、「映画の着色化」の概要を参照ください。

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