女子の解禁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 02:30 UTC 版)
「日本ボクシングコミッション」の記事における「女子の解禁」の解説
2007年まではJBCでは女子の試合を認めておらず、国内では当初は高築正子を筆頭に全日本女子格闘技連盟が、同連盟自然消滅から20年近く経過しキックボクシングジムを母体に1999年に設立された日本女子ボクシング協会が統括していた。昨今の女子格闘技ブームの流れに影響され、女子ボクシングも活発化しているもののJBC認定でなかったため正規の「プロボクシング」とは見なされておらず、女子ボクサーはキックボクシングやアマチュアなどのジムに所属するか、あるいは小関桃のように海外で活動するか、菊川未紀のようにJBC公認ジムに所属していても試合では架空のジム名を名乗っていた。 ところが近年はWBCおよびWBAが女子の部門を設立し(日本人も菊地奈々子がタイトルを獲得している)、世界各国のコミッションも女子ボクシングを認める方向に傾いてきており(韓国などでは既に認定している)、国内でも女子を認めるべきとの声が多くなった。このような状況の中で、2005年12月、東日本ボクシング協会がJBCに女子の解禁を要請したことを受け、JBCは女子の解禁について検討を開始した。 2007年11月20日のJBCと日本プロボクシング協会の合同検討委員会おいて女子にライセンスを発効することを認め、2008年2月に第1回プロテストを実施することを発表した。受験年齢は32歳までとしているが、経過措置として1年間は32歳を超えていても実力を認められた選手の受験を認めることになった。また、胸部や骨盤を守る防具の着用、妊娠検査受診や生理問診票提出など、女子選手の安全を考慮する形になった。 また、女子のみのルールとして1ラウンドを2分間とし、女子のみの階級としてアトム級(46.2kg以下)とミニフライ級(47.6kg以下)を設置する。日本タイトルマッチは8回戦で実施することも決められた。 ただし、女子選手でも協会に加盟しているジムに所属せねばならず、国際女子ボクサー協会(IFBA)世界スーパーライト級チャンピオンのライカなどの女子選手の多くは協会非加盟のジムに所属していたため、加盟ジムに移籍するか所属ジムが協会に新規加盟しない限りプロテストを受験することができなかった。ライカの所属する山木ジム(現アルファボクシングジム)は、女子選手育成の実績が高いことから加盟料免除でに加盟することとなった。 また、JBCの認定する世界王座は男子同様WBAとWBCのみ(後にIBF・WBOも)であるが、IFBAや女子国際ボクシング協会(WIBA)を始めとする女子限定のタイトルの方が歴史が長く権威も上回るため、これらのタイトル認定についての議論も起こっている。 さらに選手数不足も大きな課題であり、日本ランキングについても作成が未定な状況となっている。2010年よりジム練習生を対象とした準公式戦「女子ボクシング プロトライアルマッチ」を実施しており、一定の勝利を収めればライセンスを得ることができるようにしている。また、2013年に上述の通り世界王座挑戦資格が改められたが、女子は日本王座が設けられてないこともあり、適用されない(当該事例として山田真子は韓国で2014年2月にWBO王座奪取したが、黒木優子は同年5月に大阪でWBC王者安藤麻里に挑戦することが発表された)。2017年5月9日に日本女子育成ランキングを作成し、年内の日本女子王座承認を目指す。
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