奈良県黒塚古墳出土品
主名称: | 奈良県黒塚古墳出土品 |
指定番号: | 556 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2004.06.08(平成16.06.08) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 古墳 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、奈良県天理市柳本に所在する黒塚古墳の出土品一括である。黒塚古墳は柳本古墳群に位置する前方後円墳で、全長約一三〇メートル、後円部径約七二メートル、高さ一一メートルで前方部を西に向ける。 発掘調査は平成九~十年度に奈良県立橿原考古学研究所の学術調査として実施された。その結果、主軸をほぼ南北に置く竪穴式石室が検出された。石室内には、粘土床全体に赤色顔料(ベンガラ)が用いられた後、被葬者の頭部付近に多量の赤色顔料(朱)を施す葬送儀礼が実施されたことが想定される。副葬品は、棺内から画文帯神獣鏡【がもんたいしんじゅうきょう】一面、鉄刀【てつとう】一口、鉄剣【てつけん】一口、刀子【とうす】状鉄製品一口が出土した。また棺外には三三面にものぼる三角縁【さんかくぶち】神獣鏡、二〇〇点以上に及ぶ鉄製品、葬送に際して赤色顔料(朱)の容器として用いられたと考えられる土師器等が出土している。なかでも副葬品の原位置が明らかで、かつ墓道も検出されており、竪穴式石室の構築過程と葬送儀礼が復元される。さらに三四面にも達する銅鏡の多さは、京都府椿井大塚山【つばいおおつかやま】古墳に次ぐ。また三三面の三角縁神獣鏡の同型鏡の出土古墳も群馬県から宮崎県まで広範囲に分布しており、ともに特筆される。 また棺外に三角縁神獣鏡、棺内に画文帯神獣鏡が副葬される点は、先述の京都府椿井大塚山古墳のほか、大阪府和泉黄金【いずみこがね】塚古墳等にみられ、副葬される銅鏡の研究上、意義深い。 以上のことから本件は、古墳時代初頭の大和政権を考えるうえできわめて貴重な一括資料である。 |
考古資料: | 奈良県島の山古墳出土品 奈良県橿原遺跡出土品 奈良県興福寺旧境内土壙 奈良県黒塚古墳出土品 子持勾玉 子持壺形須恵器 安芸福田木ノ宗山出土青銅器 |
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