大韓民国との紛争
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「在大韓民国日本国大使館」の記事における「大韓民国との紛争」の解説
2012年、在韓日本大使館の建て替えが計画された。日韓関係の深化に伴い業務が増え手狭となり、また建物の老朽化も進んだため、地下3階、地上6階建大使館への建て替え計画であった。文化財である景福宮(王宮)に近接していることから、敷地は文化財保護法の適用範囲内にあり、同法の高さ制限に抵触するとして、文化財庁文化財委員会が反対した。 これに対し日本政府は、大使館は高層ビルに囲まれており、景福宮との間には今回の建築計画よりも高い17階建のビルもある。景観への影響はないと反論したが、韓国側は長らく建設許可を認めなかった。 2013年、東京の韓国大使館の新築計画が浮上。在韓日本大使館の建築を認めず、東京の韓国大使館の新築に取りかかれば、日韓の新たな火種になりかねず、韓国外交部が再検討を促し、文化財庁は取り壊し後に発掘調査を行う条件で承諾した。そして、発掘調査で朝鮮時代と推定される遺物が発見されたものの歴史的な価値は認められず、工事は可能となったが、日本政府は工事に着手しなかった。日本政府と外務省は着工しない理由を明らかにしていないが、大使館前に設置されたいわゆる慰安婦像が影響していると言われている。 着工しないまま4年近くが経過し、日本大使館側が着工延長申請をしなかったことから、韓国ソウルの鐘路区は、2019年3月、在韓日本大使館に新築ビルの建築許可の取り消しを通知した。 2017年1月9日まで長嶺安政が特命全権大使を務めていたが、「慰安婦問題日韓合意に基いて直ちに撤去されるべき従軍慰安婦像を、韓国当局が日本側からの慰安婦像撤去の申し入れに応じない」という重大な合意違反に対する抗議として、長嶺大使はソウル市内の金浦国際空港で記者団に慰安婦像設置について「極めて遺憾だ」と述べた上で、赴任地の韓国から引き揚げた。 その後、長嶺大使の再赴任と後任者の任命のいずれも行われず、駐韓日本大使の不在期間としては歴代最高記録を更新し続けていたが、12週間ほど置いた4月4日、北朝鮮によるミサイル発射や朴槿恵前大統領の罷免などの情勢急変を受けた日本国政府の判断により、長嶺大使が帰任した。
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