大気に作用する力と典型的な三つの風とは? わかりやすく解説

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大気に作用する力と典型的な三つの風

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 19:51 UTC 版)

大気力学」の記事における「大気に作用する力と典型的な三つの風」の解説

大気力学において特徴的なのが大気運動表現する座標系であり、一般的に東西方向は東を正とするx軸南北方向北向きを正とするy軸鉛直方向は上を正とするz軸をとる。例えば10m/sの北東平風であれば東向き7.1m/s、北向き7.1m/s、上向き0m/sというように分解され、さらに回転速度向きを表す渦度取り入れて表現されるまた、球体表面上の現象を扱うため、地球の自転によって生じコリオリの力考慮に入れる必要があり、大気では水平移動量が鉛直移動量よりもはるかに大きいため鉛直成分無視して近似したコリオリパラメータsinφ(Ωは地球自転角速度、φは緯度)を移流の系数として用いる。これに関連して回転場では遠心力も働く。この2力は移流原動力である気圧傾度力打ち消し合い、これらが釣り合った平衡した)状態で風が吹く。この平衡状態には3つある。 地衡風コリオリの力=気圧傾度力の状態で釣り合った時の風。等圧線が平行に近い時(ロスビー数小さい時)に成り立ち上空2kmの大気境界層上の層では、実際にこれに近い風が吹いている地衡風の場では、風を背にして立つと北半球では(南半球では反対右手気圧の高い方、左手気圧の低い方になるボイス・バロットの法則)。 傾度風コリオリの力+遠心力=気圧傾度力の状態で釣り合った時の風。等圧線屈曲が多い(ロスビー数大きい時)に遠心力増大することで成り立ち台風爆弾低気圧などでは実際にこれに近い風が吹いている旋衡風遠心力=気圧傾度力の状態で釣り合った時の風。平規小さくコリオリの力のほとんど受けないことで成り立ち竜巻塵旋風などでは実際にこれに近い風が吹いている旋衡風ではボイス・バロットの法則適用されず、回転向きランダムである。 傾圧の場では、温度不均衡によって北半球では高温側を右手にするように風が吹く温度風成分も加わる。また、地表付近では、地面海面植生構造物による摩擦力作用して地衡風におけるボイス・バロットの法則に対して低気圧方向風向がずれる。その角度海上15 - 30°程度陸上30 - 45°程度とされる。このほか、重力作用する重力波地形などの影響によるロスビー波傾圧順圧戻そうとする作用による傾圧不安定波コリオリパラメータ符号が変わるために赤道付近発生する赤道波などの、慣性振動による大気波大気運動作用する。 これらをまとめて記述する方程式系として、静水圧平衡に近い(静水圧近似成り立つ)総観スケール上でプリミティブ方程式静水圧近似成り立たないメソスケール以下では非静力学方程式用いられる

※この「大気に作用する力と典型的な三つの風」の解説は、「大気力学」の解説の一部です。
「大気に作用する力と典型的な三つの風」を含む「大気力学」の記事については、「大気力学」の概要を参照ください。

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