大気という言葉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 21:12 UTC 版)
蘭学者達は空気を表す言葉として「大気」という言葉も作った。幕府の命令でオランダ語の家庭百科事典を訳した『厚生新編』(1821,1824)には空気を意味する言葉として「大気」が出てくる。訳者は大槻玄沢と宇田川玄真となっている。彼らは「空気」という訳語を不適と見なして「大気」という訳語を作った。「大気」の語はその後多くの蘭学者達に支持されて、江戸幕府末期の科学書の中で最も一般的に使われるようになった。日本に初めてラボアジェの化学を紹介した宇田川榕庵は『舎密開宗』(1837)の中で空気を一貫して「大気」と訳している。榕庵は大気の他に「瓦斯」という言葉も区別しており、その「大気」概念は近代科学の「空気」の概念とまったく同じである。
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