厚生新編とは? わかりやすく解説

こうせいしんぺん【厚生新編】

読み方:こうせいしんぺん

江戸後期百科事典70巻(2巻を欠く)。フランスのショメルの「日用百科事典」のオランダ語訳本から、実用的な項目を選択して幕府天文方蕃書和解御用馬場貞由大槻玄沢宇田川玄真ら)で翻訳文化8〜弘化3年1811〜1846)にかけて訳出され、蘭学発達普及大い貢献した昭和12年(1937)刊。


厚生新編

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/09 07:32 UTC 版)

厚生新編』(こうせいしんぺん)は、フランスの『家事百科辞典』のオランダ語訳本の日本語訳書。江戸幕府蕃書和解御用により翻訳された。

文化8年(1811年)3月、将軍徳川家斉の命により、江戸幕府浅草暦局内に蕃書和解御用という翻訳局を設け、蘭学者を動員して、フランス人ショメールによる百科事典『家事百科辞典』をシャルモがオランダ語訳した "Huishoudelijk Woordenboek" を日本語に重訳させた。この百科事典は蘭学者に重宝され、かなり輸入されたらしく、版によって7巻、8巻、16巻のものなどが残るが、幕府が翻訳させたのは1778年の7冊本であろうという。翻訳に当たったのは馬場貞由大槻玄沢を主として、宇田川玄真、大槻玄幹、宇田川榕庵小関三英湊長安の7人で、いずれも一流の蘭学者であった。翻訳は文化8年から天保11年(1840年)まで約30年にわたっておこなわれ、訳稿は『厚生新編』として成るにしたがって幕府に献上され、70巻におよんだ。

翻訳は幕府の蕃書調所開成所をへて、明治元年(1868年)に徳川将軍家静岡にうつされると駿府学問所に移り、静岡学校を経て静岡県立葵文庫[1]に伝わったが、昭和12年(1937年)に同文庫から出版された。翻訳は原書の日常生活関係の項目を選んで行ったらしく、初めから始めて S の部あたりで中止され、未完成である。

ガス」「アルカリ」など、この書物から使われ始めて日本語に定着したとされる言葉も多い。

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