地歌三味線の特徴とは? わかりやすく解説

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地歌三味線(三弦・三絃)の特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 06:45 UTC 版)

地歌」の記事における「地歌三味線三弦三絃)の特徴」の解説

中棹含められているが、地歌三味線は棹や胴が浄瑠璃系の中棹三味線よりもやや大きい。ただし細棹三味線よりも更に細い柳川三味線(京三味線)を使う流派少ないながらある。また糸(弦)も長唄よりもやや太いものを使うことが多い。 棹が胴に接するあたりは、普通の三味線では棹の上面が徐々にカーブ描いて下がっていく(この形を「鳩胸」と呼ぶ)が、地歌三味線では上面が胴に接すぎりぎりまで高さを保つように作られている。これにより、開放弦から2オクターヴ2度程度までの高い音を出すことができるようになっている(他の三味線は1オクターヴ5 - 6度)。これを考案したのは、明治熊本東京活躍した九州地歌演奏家長谷幸輝(ながたにゆきてる・1843年 - 1920年といわれる手事もの地歌曲では高いポジションをよく使用するが、これにより明確な高音出せようになった。後にこのつくりは津軽三味線民謡用の三味線にも取り入れられている。 駒は水牛の角製のものが多く、まれに象牙べっ甲製のものもある。裏面(皮に接する面)に金属のおもり(金、銀、あるいは鉛)を二カ所に埋め込んだものが多く使われる。おもりの重さによって音色変わって来るので、地歌演奏家は普通、楽器の癖、皮の張り具合天候曲調などに合わせいくつもの駒を使い分ける。なおこの駒を改良したのも長谷幸輝といわれ、本来九州系で使われいたもの次第広まったもので、関西では水牛角製でもおもりがなく底辺大きい「台広」といわれる駒を使うことが多かったいずれにしても地歌の駒は音色決め上で非常に重要なものであり、その点において世界弦楽器の駒の中でももっとも発達したものと言ってもよい。 撥は、多く系統で「津山撥」と称する大型のものを使用する。これは文政から天保初年の頃に大阪津山検校改良したもので、撥が先に向かって急に開くあたりから厚みを急に減らし、それから先が急に薄くなっているもの。撥の開き大きいこともあり、撥先が鋭く弾力性増して細かな技巧適している。また弾く時には、撥を胴の木の部分当て撥音立て過ぎないようにする。これも繊細な音作りのためである。これらは地歌劇場のような広い場所での演奏でなく、また芝居舞踊伴奏ではない純粋な音楽として、音に注意集中し室内でじっくりと音色を味わう音楽上の性格から来ている。材質はすべて象牙でできたものを第一とし、それを「丸撥」(まるばち)と呼ぶ。他に握り部分象牙で、撥先をべっ甲したものもよく使われる。昔は握り水牛の角製のものが多かった。もちろん現在では象牙べっ甲共に稀少品なので、合成樹脂でできているものを稽古に使うことも多い。

※この「地歌三味線(三弦・三絃)の特徴」の解説は、「地歌」の解説の一部です。
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