地位確認訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:25 UTC 版)
小林は相撲協会に対して顧問職の解雇無効を訴える訴訟を起こしていたが、2018年2月16日に行われた口頭弁論で原告側証人として出席を予定していた相撲協会監事(2018年3月に任期満了で退任)の公認会計士・神山敏夫は出廷しなかった。その理由は明らかにされていない。 2月27日に行われた口頭弁論では協会の八角理事長と尾車事業部長が出廷し、解雇の正当性を主張した。2014年1月にYoutubeに「相撲協会 裏金 取引現場 パチンコ契約 X氏」という動画が投稿され、小林がメーカーから力士が登場するパチンコ台に関する契約に関する謝礼金500万円を受け取る姿とされる内容が公開された件について、八角理事長は「宗像(紀夫)さん(当時協会危機管理委員長)に相談すると、『(小林氏は裏金を)返したから問題ない』といわれた。“立派な方(宗像氏)が言っているので、そういうものなのかな”と思った。それ以上口を挟めなかった」と述べている。さらに「業者から8000万円が2回に分けられて、小林さんの会社に振り込まれた」「小林氏は、『(ある企業の)社債75億円を購入しないと、協会の金を内閣府に取られる』と(虚偽の)話をしたこともあった」と小林の別の裏金疑惑についても言及している。 また協会は裁判に提出する陳述書中で、北の湖前理事長が何故小林の言いなりになっていたかについても説明している。北の湖前理事長は、2004年10月15日に会員制クラブで女性に対しわいせつな内容も含む暴行を加え、女性に頸部挫傷(全治1週間)の怪我を負わせた。被害女性はその後、警視庁に被害届と告訴状を出して受理されている。この件を、小林にうまく「解決してもらった」ことで弱みを握られたという。 同年8月28日、東京地裁は小林の請求を棄却した。判決によると、2015年11月15日の理事会で小林の雇用が決議されており採用辞令も所持していること、北の湖前理事長が雇用する意思を明示していたという小林の主張に対し、協会側はその事実はないと反論しており、北の湖前理事長の死去後に協会に姿を見せなくなったため契約解除をしたとしていた。東京地裁は「2015年11月15日の理事会で北の湖前理事長は小林の立場について『以前と変わらない』と発言しており、理事会の議論もその前提が不明確で、『小林元顧問を雇用する』との決定がなされたとは認められない」「小林元顧問が持つ採用辞令は、小林元顧問か小林元顧問の指示を受けた者によって偽造されたものと推認される」として、労働契約の締結はされていなかったものと結論付けている。 小林は判決を不服とし、9月10日付で東京高裁に控訴。同年12月17日に第一回口頭弁論が行われ、控訴審は結審した。2019年2月6日、東京高裁は一審判決を支持し小林の控訴を棄却した。判決によると、小林は協会の北の湖前理事長が死去する直前の2015年11月15日の理事会で承認を得て雇用されたと主張し解雇後の賃金の支払いも求めていたが、東京高裁は理事会決議は証拠として認めることが出来ないとし、地位確認・賃金の請求に理由はないとしている。 2019年3月4日、相撲協会は小林側が上告しなかったため協会の勝訴が確定したことを発表した。
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