補充主張および新主張について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 14:37 UTC 版)
「日本ボクシングコミッション事件」の記事における「補充主張および新主張について」の解説
控訴審におけるJBCの補充主張・新主張はいずれも認められなかった。まず、JBCは安河内が降格処分の後で「決定に従う。ご迷惑をおかけした。」などの発言をしたことから、安河内はこれを承諾していたはずで処分は有効だと主張したが、JBCが主張する安河内の発言の中には処分前の発言が含まれ、これは自発的な辞任を強要された場面で拒否の意思を示したものであった。他の発言についてはいずれもマスメディアの取材に応じた返答であり、JBC分裂の危機が大きく報道されていた状況下で混乱の原因となった者として対外的な反省の弁を述べたものにすぎず、従来の業務に就かせてほしいとの申し入れをしながら受け入れられずに提訴に至った事実経過に照らし、降格処分を異議なく受け入れていたとは解されないと判示されている。 次に、JBCは安河内に下した2012年6月15日付解雇通知書による第1次懲戒解雇処分と2013年4月23日の第一審第7回弁論準備手続期日に陳述されたJBCの同日付準備書面による第2次懲戒解雇処分が通常解雇の意思表示を含むものであり、通常解雇としては有効だと主張した。しかし、いずれも安河内が地位確認訴訟を起こした後に行われたものであるのに、これらの書面には、JBCが安河内を懲戒解雇することや、この処分がJBCの就業規則に定められた懲戒解雇事由によるものであることのみが記され、通常解雇を含む趣旨の記載は「全く見当たらない」とされた。JBCは、訴訟追行を弁護士に委任した上、第一審では2度にわたる懲戒解雇処分の懲戒解雇としての有効性について「攻撃防御を尽くし」、予備的主張としても通常解雇を主張することは一切なく、このような応訴状況等から通常解雇の意思表示を黙示的にも包含するものであったとはいえないと判断された。 また、JBCは2015年3月2日の控訴審第1回口頭弁論期日に安河内に対して下した通常解雇が有効であるとも主張したが、東京高裁は懲戒解雇であれ通常解雇であれ、その解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」し、証拠からも口頭弁論終結時までにこの判断が左右されるような新たな事情が生じたとも認められず、その他の補充主張もしくは新主張については「種々主張立証するところを検討しても、上記判断は何ら左右されない」と結論づけている。
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