国際数学連合とは? わかりやすく解説

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国際数学連合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/29 22:33 UTC 版)

国際数学連合
International Mathematical Union
法的地位 ドイツ・ベルリンの内国歳入庁から慈善団体として認められた非法人団体
目的 数学の国際協力の推進
所在地
総裁(President) 中島 啓英語版
 上部組織 国際学術会議
ウェブサイト mathunion.org
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国際数学連合(こくさいすうがくれんごう、IMU: International Mathematical Union)は、数学分野における国際協力を目的とした国際非政府組織である。国際学術会議(ISC)の構成機関であり、国際数学者会議(ICM)を主催している。会員は80か国以上の各国の数学団体で構成されている[1]

IMUの目的は、数学の国際協力の促進、ICMやその他の国際科学会議の支援・助成、科学賞の授与による数学への卓越した研究貢献の承認、純粋・応用・教育の各側面において数学科学の発展に貢献すると考えられるその他の国際的な数学活動の奨励・支援である。

IMUは1920年に設立されたが、1932年9月に一旦解散し、1950年にニューヨークで開催された構成員会議で事実上再設立され、10か国目が加盟した1951年9月10日に法的に再設立された。1952年3月にイタリア・ローマで開催された総会で、新しいIMUの活動が発足し、最初の実行委員会、会長、各種委員会が選出された。1952年に国際学術連合会議(ICSU、現 国際学術会議)に再加盟した。

2010年8月にインド・バンガロールで開催された第16回IMU総会にて、IMUの常設事務所の所在地にドイツベルリンが選ばれ、2011年1月1日に、ライプニッツ協会英語版の研究所であるワイエルシュトラス研究所(WIAS)の中に開所した。同研究所では、約120名の科学者が、産業や商業の複雑な問題に応用される数学的研究に従事している[2][3]

委員会

IMUは、国際数学教育委員会英語版(ICMI: International Commission on Mathematical Instruction)を通じて数学教育と密接な関係を持っている。この委員会はIMUの委員会であるが、独自の実行委員会と総会を持っている。

発展途上国はIMUにおける優先順位が高く、個人、数学協会、財団、資金提供機関からの助成金を含め、IMUの予算のかなりの割合が発展途上国のための活動に費やされている。2011年からは、発展途上国委員会(CDC: Commission for Developing Countries)によって調整されている。

女性数学者委員会(CWM: Committee for Women in Mathematics)は、世界中の女性数学者に関する問題に取り組んでいる。この委員会は、ICMのサテライトイベントとして、女性数学者のための世界会議( マーシャル・ストーン エミール・ボレル エーリヒ・カムケ英語版 1955-1958 ハインツ・ホップ英語版 アルナウド・ダンジョワ英語版 ウィリアム・ホッジ 1959-1962 ロルフ・ネヴァンリンナ パヴェル・アレクサンドロフ マーストン・モース英語版 1963-1966 ジョルジュ・ド・ラーム アンリ・カルタン カジミェシュ・クラトフスキ 1967-1970 アンリ・カルタン ミハイル・ラフレンティエフ英語版 ディーン・モントゴメリー英語版 1971-1974 K・S・チャンドラセカール英語版 エイブラハム・アドリアン・アルバート英語版 レフ・ポントリャーギン 1975-1978 ディーン・モントゴメリー英語版 J. W. S. カッセルズ英語版 ミロン・ニコレスク英語版(在任中に死去)
ゲオルゲ・ヴランチャーヌ英語版 1979-1982 レンナルト・カルレソン 永田雅宜 ユーリ・プロホロフ英語版 1983-1986 ユルゲン・モーザー ルドヴィク・ファデーエフ英語版 ジャン=ピエール・セール 1987-1990 ルドヴィク・ファデーエフ英語版 ウォルター・フェイト英語版 ラース・ヘルマンダー 1991-1994 ジャック=ルイ・リオン英語版 ジョン・コーツ デヴィッド・マンフォード 1995-1998 デヴィッド・マンフォード ウラジーミル・アーノルド アルブレヒト・ドルト英語版 1999-2002 ジェイコブ・パリス英語版 サイモン・ドナルドソン 森重文 2003-2006 ジョン・M・ボール英語版 ジャン=ミシェル・ビスマット英語版 柏原正樹 2007-2010 ラースロー・ロヴァース Zhi-Ming Ma クラウディオ・プロセッシ英語版 2011-2014 イングリッド・ドブシー クリスティアン・ルソー英語版 マルセロ・ビアナ英語版 2015-2018 森重文 Alicia Dickenstein ヴォーン・ジョーンズ 2019-2022 カルロス・ケニグ英語版 ナリーニ・ジョシー英語版 Loyiso Nongxa 2023-2026 中島啓 ウルリケ・ティルマン英語版 タティアナ・トロ英語版

脚注

  1. ^ a b International Mathematical Union (IMU): Member Countries”. 2020年4月30日閲覧。
  2. ^ IMU General Assembly in Bangalore, India in August 2010”. 2011年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月25日閲覧。
  3. ^ Weierstrass Institute”. www.wias-berlin.de. 2017年11月19日閲覧。
  4. ^ Communication, IMU Committee on Electronic Information and. “CEIC”. www.mathunion.org. 2017年11月19日閲覧。
  5. ^ International Mathematical Union (IMU): Executive Committee”. 2020年4月30日閲覧。
  6. ^ Best Current Practices for Journals”. 2017年11月19日閲覧。
  7. ^ Countries, IMU Commission for Developing. “Grants - CDC”. www.mathunion.org. 2014年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月19日閲覧。
  8. ^ Mathematics in Africa: Challenges and Opportunities”. 2017年11月19日閲覧。
  9. ^ Mathematics in Africa 2014 Update”. 2017年11月19日閲覧。
  10. ^ Mathematics in Latin America report
  11. ^ The International Mathematical Union in the Developing World”. 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月19日閲覧。

関連文献

外部リンク



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