囲碁に由来する慣用表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 13:51 UTC 版)
傍目八目・岡目八目(おかめ はちもく) そばで見ていると冷静だから対局者の見落としている手も見え、八目ぐらい強く見える意から、当事者よりも第三者の方がかえって物事の真実や得失がよく分かる例え。 一目置く(いちもく おく) 棋力に明らかに差のある者どうしが対局する場合、弱い方が先に石を置いてから始めることから、相手を自分より優れていると見なして敬意を表すること。その強調形の『一目も二目も置く』が使われることもある。 なお、ハンデ付で対局する「置き碁」については、2目以上を置く場合をそのように呼ぶことが多く、1目を置く(黒で先手し、コミを出さずに対局する)場合については、一般に「先(せん)」という呼び方が用いられる。 駄目(だめ) 自分の地にも相手の地にもならない目のこと。転じて役に立たないこと、上手くいかないこと、してはいけないこと。また、そのさま。 駄目押し(だめおし) 終局後、計算しやすいように駄目に石を置いてふさぐこと。転じて、念を入れて確かめること。また、既に勝利を得るだけの点を取っていながら、さらに追加点を入れることにもいう。 実際の囲碁用語としては「駄目詰め」の方が多用される。 八百長(やおちょう) 江戸時代末期、八百屋の長兵衛、通称八百長なる人物が、よく相撲の親方と碁を打ち、相手に勝てる腕前がありながら、常に一勝一敗になるように細工してご機嫌を取ったところから、相撲その他の競技において、あらかじめ対戦者と示し合わせておき、表面上真剣に勝負しているかのように見せかけることをいう。 布石(ふせき) 序盤、戦いが起こるまでの石の配置。転じて、将来のためにあらかじめ用意しておくこと。また、その用意。 定石(じょうせき) 布石の段階で双方が最善手を打つことでできる決まった石の配置。転じて、物事に対するお決まりのやり方。 捨て石、捨石(すていし) 対局の中で、助けても価値の低い石や助けることの難しい石をあえて相手に取らせること。転じて、一部分をあえて犠牲にすることで全体としての利益を得ること。 死活(しかつ)、死活問題(しかつもんだい) 石の生き死にのこと。また、それを詰碁の問題にしたもの。転じて、商売などで、生きるか死ぬかという問題ごとにも用いられる。 大局観(たいきょくかん) 的確な形勢判断を行う能力・感覚のこと。転じて、物事の全体像(俯瞰像)をつかむ能力のこと。 目算(もくさん) 自分と相手の地を数えて形勢判断すること。転じて、目論見や見込み、計画(を立てること)を指す。
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