囲碁の定石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 23:53 UTC 版)
囲碁における定石とは、碁盤の中の一部分(主に隅)における部分的には互角になる(とされる)ワンセットの応酬のことを指す(これを囲碁用語で「互角のワカレ」という)。あくまでも「部分的」に互角であり、他の部分の配石次第で定石どおりに打っても悪い結果になることがある。 初中級者が定石の手順を丸暗記して悪い結果になることを「定石を覚えて二子弱くなり」などと揶揄される場合もある。「定石=必勝」ではない。あくまで、定石を理解していない相手には、有利に戦うことができるということである。 定石の一手一手は、それ自体が手筋の応酬であり、単なる丸暗記ではなくその一手一手の意味を考えながら定石を学ぶことが重要である。 詰碁や棋譜並べや実戦と並んで囲碁上達の基本とされている。 実際の対局では、定石の書を見ながら打つこと自体は、禁止ではないが、マナー違反になる場合もある。また、相手が定石通りに合わせないことも多いので、定石の書を見ながら対局している例は稀である。 定石は不変のものではなく、プロ・アマチュアの棋士達によって研究が続けられており、改変、創造、棄却、見直しが常に行われている。 囲碁では先手が有利で、勝率を五分五分にする為、コミと呼ばれるハンディキャップがつくようになった。つまり先手の黒は、後手の白よりもX目以上の差をつけて陣地を作らないと勝ちにならない。2002年以降の日本ルールでは「6目半(6.5目、引き分けを防止するために半目が設けられている)」となっている。そのため、コミのない時代では黒の好手とされていても、現代のルールでは少々甘い手とされることもある。その為、定石がさらに研究されている。 初級者でも使いこなせる数手程度の簡明な定石も多いが、長手順で変化の多い難解な定石も存在する。前者としてはツケノビ定石・ツケヒキ定石など、後者としては、村正の妖刀・大斜定石・ナダレ定石などが有名である。 定石にも流行があり、時代によって大きく変化する。例えば2016年の人工知能登場以降は、AlphaGoなどの着手を人間の棋士が取り入れ、広く使われるようになっている。
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