唯物史観と剰余価値理論の確立とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 唯物史観と剰余価値理論の確立の意味・解説 

唯物史観と剰余価値理論の確立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)

カール・マルクス」の記事における「唯物史観と剰余価値理論の確立」の解説

1845年夏からエンゲルスとともにドイツ・イデオロギー』を共著したが、出版社を見つけられず、この作品二人存命中には出版されることはなかった。この著作の中でマルクスエンゲルスは「西欧革新的な哲学封建主義的なドイツに入ると頭の中だけの哲学的空論になってしまう。大事なのは実践であり革命」と訴えバウアーフォイエルバッハヘーゲル後の哲学者、またヘスカール・グリューンら「真正社会主義者」に批判加えている。マルクスは同じころに書いたメモフォイエルバッハに関するテーゼ』の中でもフォイエルバッハ批判行っており、その中で生産関連する人間関係歴史基礎であり、宗教哲学道徳全てその基礎から生まれた」と主張しマルクス最大特徴ともいうべき唯物史観萌芽させた。 さらに1847年には『哲学の貧困』を著した。これはプルードン著作貧困哲学(仏:Système des contradictions économiques ou Philosophie de la misère)』を階級闘争革命目指さず、漸進主義ですませようとしている物として批判したのであるこの中でマルクスは「プルードン労働者賃金とその賃金による労働生産され生産物価値同じだ思っているようだが、実際に賃金の方が価値が低い。低いから労働者生産物と同じ価値の物を手に入れられない。したがって労働者働いて賃金得れば得るほど貧乏になっていく。つまり賃金こそが労働者奴隷にしている」と主張し剰余価値理論萌芽させた。また「生産力増大する人間生産様式は変わる。生産様式が変わると社会生活様式も変わる。思想社会関係もそれに合わせて変化していく。古い経済学ブルジョワ市民社会のために生まれた思想だった。そして今、共産主義労働者階級思想となり、市民社会打ち倒すことになる」と唯物史観展開して階級闘争必然性力説する。そして「プルードンは、古い経済学共産主義両方批判し貧困な弁証法哲学統合しようとする小ブルジョアに過ぎない」と結論している。 1847年末にはドイツ労働者協会席上労働者向けの講演行ったが、これが1849年に『新ライン新聞上で賃金労働資本ドイツ語版)』としてまとめられるのであるその中で剰余価値理論この段階ではまだ剰余価値という言葉使用していないが)をより後の『資本論』に近い状態に発展させた。「賃金とは労働力という商品価格である。本来労働は、人間自身生命活動であり、自己実現なのだが、労働者は他に売るものがないので生きるためにその力を売ってしまった。したがって彼の生命力発現労働も、その成果である生産物彼のではなくなっている(労働生産物からの疎外)。」、「商品価格は、その生産費、つまり労働時間によってきまる。労働力という商品価格賃金)も同様である。労働力生産費、つまり生活費で決まる」、「資本家労働力購入して、そしてその購入以上に労働をさせて労働力搾取することで資本増やす資本増大すればブルジョワ労働者への支配力も増す。賃金労働者永久に資本隷従することになる。」といった主旨のことを述べている。

※この「唯物史観と剰余価値理論の確立」の解説は、「カール・マルクス」の解説の一部です。
「唯物史観と剰余価値理論の確立」を含む「カール・マルクス」の記事については、「カール・マルクス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「唯物史観と剰余価値理論の確立」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「唯物史観と剰余価値理論の確立」の関連用語

唯物史観と剰余価値理論の確立のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



唯物史観と剰余価値理論の確立のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのカール・マルクス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS