唯物論哲学者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 23:19 UTC 版)
「ジョゼフ・プリーストリー」の記事における「唯物論哲学者」の解説
重要な哲学的著作の多くは、シェルバーン伯の下で働いている時期に書かれている。形而上学についての主要な著作は1774年から1780年までに出版された。An Examination of Dr. Reid's Inquiry into the Human Mind (1774)、Hartley's Theory of the Human Mind on the Principle of the Association of Ideas (1775)、Disquisitions relating to Matter and Spirit (1777)、The Doctrine of Philosophical Necessity Illustrated (1777)、Letters to a Philosophical Unbeliever (1780) である。それらの中で、決定論、唯物論、因果性、必然論について論を展開している。自然界を探究することで、人々はよりあわれみ深く、幸福で豊かになるすべを学ぶだろうと主張した。 それらの著作では心身二元論に強く反対し、唯物論的哲学を展開している。つまり、宇宙の全てのものは観察可能な物質で構成されているという原則に基づいた主張である。そして、霊魂は神性の物質でできており、人間には観察不可能であるから議論できないと主張した。このような人間と神性を分離させる考え方は多くの読者に衝撃を与え、怒らせた。霊魂の存在には心身二元論が必須と信じられていたためである。 ポール=アンリ・ティリ・ドルバックの『自然の体系』(The System of Nature, 1770) やデイヴィッド・ヒュームの『自然宗教をめぐる対話』(Dialogues Concerning Natural Religion, 1779) に応える形で、唯物論と決定論は信仰心と共存可能だと主張した。書物や習慣によって形成された信仰を批判し、教育を受けた者の懐疑心と庶民の信じやすさには類似性があると指摘している。 人間に自由意志は全くないと主張し、自身の自然界についての理解に基づいて、自身が "philosophical necessity"(理性的必然性、絶対的決定論のようなもの)と呼ぶ概念がキリスト教信仰と一致していると主張。人類以外の自然と同様、人間の精神も因果律に左右されるが、慈悲深い神がそれらの法則を創造したので、世界とその中の人間は結局完全になると主張した。従って、悪とは単に世界について不完全に理解した状態だということになる。 プリーストリーの哲学関連の業績は「大胆で独創的」とされたが、自由意志、決定論、唯物論といった問題についての従来からの哲学の伝統の上に成り立っている。例えば17世紀の哲学者バールーフ・デ・スピノザは、絶対的決定論と絶対的唯物論を主張した。スピノザと同様、ライプニッツとプリーストリーも人間の自由意志は自然の法則によって完全に決定されるとした。ただしライプニッツが他者と異なるのは、物質宇宙とは別に霊魂などが属する非物質的な「平行宇宙」が存在し、両者の結果が一致するよう神が配置しているとした点である。ライプニッツとプリーストリーで共通するのは、神は慈悲深く因果を決定するという楽観主義だが、プリーストリーはその上因果による事象の連鎖が最終的に至福千年王国に到達すると信じていた。一方ライプニッツは、因果による事象の連鎖は想定される様々な連鎖の中で最適なものだとした。
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