唯物史観の定式とは? わかりやすく解説

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唯物史観の定式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 14:45 UTC 版)

唯物史観」の記事における「唯物史観の定式」の解説

マルクスは『経済学批判』の序言唯物史観定式化し、これを自らの「導きの糸」と呼んでおり、その内容は以下である。 人間は、その生活の社会的生産において、一定の必然的な、かれらの意思から独立した諸関係を、つまりかれらの物質的生産諸力の一定の発生段階対応する生産諸関係を、とりむすぶ。この生産諸関係の総体社会経済的機構を形づくっており、これが現実土台となってそのうえに法律的政治的上部構造そびえたち、また、一定の社会的意識形態は、この現実土台対応している物質的生活の生産様式は、社会的政治的精神的生活諸過程一般制約する人間意識がその存在規定するではなくて逆に人間社会的存在がその意識規定するのである社会物質的生産諸力は、その発展がある段階にたっすると、いままでそれがそのなかで動いてきた既存生産諸関係、あるいはその法的表現にすぎない所有諸関係と矛盾するうになる。これらの諸関係は、生産諸力の発展形態からその桎梏へと一変する。このとき社会革命時期がはじまるのである経済的基礎変化につれて巨大な上部構造全体が、徐々にせよ急激にせよ、くつがえるこのような変革考察するさいには、経済的な生産諸条件おこった物質的な自然科学的な正確さ確認できる変革と、人間がこの衝突意識し、それと決戦する場となる法律政治宗教芸術、または哲学の諸形態、つづめていえばイデオロギーの諸形態とを常に区別しなければならない。ある個人判断するのに、かれが自分自身をどう考えているのかということにはたよれないのと同様、このような変革の時期を、その時代の意識から判断することはできないであって、むしろ、この意識を、物質的生活の諸矛盾社会的生産諸力と社会的生産諸関係とのあいだに現存する衝突から説明しなければならないのである一つ社会構成は、すべての生産諸力がその中ではもう発展余地がないほどに発展しないうちは崩壊することはけっしてなく、また新しいより高度な生産諸関係は、その物質的な存在諸条件が古い社会胎内孵化しおわるまでは、古いものにとってかわることはけっしてない。だから人間が立ちむかうのはいつも自分解決できる問題だけである、というのは、もしさらに、くわしく考察するならば、課題そのものは、その解決物質的諸条件がすでに現存しているか、またはすくなくともそれができはじめているばあいにかぎって発生するものだ、ということがつねにわかるであろうから。 大ざっぱにいって経済的社会構成進歩してゆく段階として、アジア的、古代的封建的、および近代ブルジョア生活様式をあげることができる。ブルジョア生産諸関係は、社会的生産過程敵対的なといって個人的な敵対の意味ではなく、諸個人社会的生活諸条件から生じてくる敵対という意味での敵対的な形態最後のものである。しかし、ブルジョア社会胎内発展しつつある生産諸力は、同時にこの敵対関係解決のための物質的諸条件をもつくりだす。だからこの社会構成をもって人間社会前史おわりをつげるのである

※この「唯物史観の定式」の解説は、「唯物史観」の解説の一部です。
「唯物史観の定式」を含む「唯物史観」の記事については、「唯物史観」の概要を参照ください。

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