吹き替えに関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 12:26 UTC 版)
吹き替えを演じる際は、演じる前に役者の事を十分にリサーチした上で演技を行う。役の入り込み方として、台本が届いてから何度も読み返していくとだんだん演じている俳優になりきっていくことができ、さらにそこからその俳優が演じようとしているキャラクターになることができると語った。本番に向けての練習方法として、台本を各シーンごとに集中的に見て、画面を見ながら台詞を言えるようにしているという。また、吹き替えるときはただ俳優の口の動きとリズムを合わせるリップシンクだけ重視するのではなく「ドラマ性も失わないようにすること」、「ドラマを再度作る」意気込みが大切だと語っている。 収録では、ライブ収録という複数の声優が掛け合いで演じることが好きだという。ライブ収録時の感覚がジャズのグルーヴ感に近く、自分と映像と相手が三位一体となって呼吸し、それが合った瞬間にグルーヴが生まれるとも語り、演じているその相手に感動するという。1人で収録することが多くなった現在でもライブ収録を意識し、何回も収録することがあるという。吹き替え製作は1本の作品を創作することに等しいかという質問がされたときは、芝居のリアリティを掘り起こすという意味では完全な創作であると語った。さらに、吹き替えはスタッフとキャストのチームとして製作するもので、自分たちは「最初のデータ作り」を担い、その後ミキサーなどスタッフの手によって作品となる相互作業で成り立つと話している。そして、「データがしっかりしていれば、どうにでも料理できる」とした上で、自身のポリシーとして「最初のデータ作りをちゃんとやる」ことを挙げて、キャストだけではなく製作スタッフからも意見を聞いたほうがいいとも述べている。 フジテレビで放送されていた『ゴールデン洋画劇場』では様々な役の吹き替えを担当していたが、二枚目の役はもっと若いころにやりたかったと語っている。中でも『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のトム・クルーズを担当することになったときは、普段担当することがないタイプであるため焦ったといい、この役について本人は「(ヴァンパイアという)お化け」として割り切っているという。しかし個性派俳優を担当することが多く正統派の二枚目俳優を担当することが少ない江原自身は、『スピード』のキアヌ・リーブスなどの役が来ると嬉しいとも語った。ゴールデン洋画劇場で演じた中で気に入っている作品は、ジェームズ・ウッズの『サルバドル/遥かなる日々』とロビン・ウィリアムズの『グッドモーニング, ベトナム』だと答えた。前者はたくさん喋った最初の作品で原語でもアドリブが多かったため、吹き替えでもかなり台詞を足したといい、江原本人はウッズの最高傑作だと語っている。後者は、アメリカの正義を表現するため「オレたちは君たちを助けに来たんだ!」という台詞をアドリブで入れ、それが放送で使われたことが嬉しかったという。
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