吉見説への批判と反論とは? わかりやすく解説

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吉見説への批判と反論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 03:11 UTC 版)

軍慰安所従業婦等募集に関する件」の記事における「吉見説への批判と反論」の解説

軍の関与決定的証拠である」とする吉見に対して、以下に述べるように反論出されるとともに吉見説と異なる解釈提出された。 高橋史朗は『文藝春秋1996年5月号に発表した新し日本の歴史が始まる」において、この文書は軍の威信保護するため悪質な業者極力排除するように通達したものであり、「日本軍関与」というのは、この文章から読み取る限りでは「悪質な業者が不統制募集して強制連行」しないように軍が関与していたことを示しているものであり、良い意味での関与である」と主張した評論家小林よしのりは、1997年の『新ゴーマニズム宣言 第3巻』において、この通牒を「内地誘拐まがいの募集をする業者いるから注意せよという『関与』を示すものだ。フツー国語力読めばそれ以外の意味はない。なんでこれであやまんなきゃならないの?」「この資料中に一言内地日本国内に於て』と入ってるのをとらえて、『しかし朝鮮台湾では違っていたのです。違法であっても現地の軍の強い要求があるので、目をつぶって送り出したというのが実情』とするのは吉見氏恣意的な見解もしくは推測にすぎない」「日本の統治下にない戦地支那にまでわざわ日本軍このような人道的配慮をするよう通達出したのだから朝鮮台湾ではとっくに配慮はなされていたのだろう」「これは違法な徴募止めさせるものだ」と主張した1997年西尾幹二小林よしのり藤岡信勝高橋史朗共著歴史教科書との15年戦争』で「人権真理教毒される日本マスコミ」を発表し「「内地で軍の名前を騙って非常に無理な募集をしている者がおるから、これを取り締まれ」というふうに書いてある」と述べた藤岡信勝も「歴史教科書犯罪」(1997年前掲歴史教科書との15年戦争所収)で、「慰安婦集めるときに日本人業者なかには誘拐まがいの方法集めている者がいて、地元警察沙汰になったりした例があるので、それは軍の威信を傷つける。そういうこと絶対にないよう業者選定厳しくチェックしそうした悪質な業者選ばないように-と指示した通達文書だったのです。ですから、強制連行せよという命令文ではなくて強制連行業者がすることを禁じた文書」と主張した歴史学者秦郁彦評論家小林よしのり明星大学教授高橋史朗らはこの通達は「慰安婦誘拐まがいの募集行なう業者いるから注意せよ」という「関与」を示すものだ」と「よい関与論」を唱え反論し近現代史研究家水間政憲もこの指令書当時朝鮮社会における誘拐事件人身売買実態をふまえれば、悪徳業者取り締まれ解釈するべきで、日本軍関与良識的な関与であった主張している。 現代朝鮮研究者の西岡力2007年に「(この通達は)強制連行」の証拠にはならないし、それどころか、日本軍民間の軍の諒解とりつけた詐称して勧誘する悪質業者取り締まる内容文書であり、善意関与である」と解釈している。西岡は「合理的に考えるなら、戦地での民心離間を心配する軍が、一部抗日独立運動続いていた植民地朝鮮慰安婦強制連行行い朝鮮における民心離間誘発するずがない吉見教授文書は、権力による強制連行証明するものではなく、むしろそれがなかったことを示唆するものだった」と述べている。 中川八洋は、この通達日本軍が実に立派な軍隊であることを証するものであり、「従軍慰安婦」に「軍が関与」したという当り前のことを強調し、「軍が女性凌辱」という嘘のイメージ連鎖させていく者がいるとし、慰安婦制度という公娼制度のみ目くじらを立てて女性人権侵害」とし、現代も続く私娼については沈黙している吉見姿勢批判している。 京都橘大学教授永井和は「通牒取締対象としたのは、業者違法な募集活動ではなくて業者真実告げること、言い換えれば、軍が慰安所設置し慰安婦募集していると宣伝し知らしめること、そのことであった慰安婦の募集密かに行われなければならず、軍との関係はふれてはいけないとされのである」と述べている。

※この「吉見説への批判と反論」の解説は、「軍慰安所従業婦等募集に関する件」の解説の一部です。
「吉見説への批判と反論」を含む「軍慰安所従業婦等募集に関する件」の記事については、「軍慰安所従業婦等募集に関する件」の概要を参照ください。

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