各作品に対する批評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 23:10 UTC 版)
1作目『D.P.S.』に対し、書籍『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』においてレビュアーを担当したごうすとは、作品のストーリーは「当時を感じさせ、多少の理不尽さを感じたりする」と言及している。『コンプティーク』誌は「簡素かつ実用性たっぷり」とした一方、『PC Angel』誌の考察では、それぞれのシナリオでプレイヤーの心を引きつける設定になっている点が評価されている。 シリーズ2作目『D.P.S. SG』のグラフィックに関しては以下のような評価がなされている。まず『PC Angel』誌ではシリーズ1作目に比べて「大幅にCGがキレイになった」と述べられており、パソコンゲーム誌の編集者・前田尋之は性に溺れた女性キャラクターの表情を褒め称えている。また、『美少女ゲーム最前線』誌に掲載された紹介記事では露骨な絵柄はあまりないものの、グラフィックが丹念に描かれている点や、Hシーンの情景描写に熱が入っている点が評価されている。一方、物語に関しては、書籍『パソコン美少女ゲーム歴史大全1982‐2000』に寄稿したライター・くれあ☆ばいぶるが展開の理不尽さを指摘しており、リリース当時の時代を感じる内容になっていると述べたうえ、森蘭丸を女体化した初めてのゲーム作品ではないかという論考を加えている。それに対し、『PC Angel』誌ではナチスの武装親衛隊から家庭教師といった設定の振れ幅が大きいと指摘し、エンターテイメント性がある作品と評している。 3作目『D.P.S. SG set2』に収録された「いけない内科検診 再び」はシリーズを通して唯一となる続編となった。本シナリオに登場する由美子について、『D.P.S.』と比較してキャラクターデザインが改良されたとする意見がある。また、『D.P.S.』に登場する「かつみ」に加え、その甥である「かつき」に対してもだまされた格好となった由美子について、「2度とだまされるなんてわけがない。おそらくかつみと不毛な関係を続けるよりも、よく似た性格容姿のかつきに好意をもってだまされたふりをしたのではないかと思われる」と考察を行った者もいる。 4作目『D.P.S. SG set3』に関しては、『PC Angel』の誌面にて「しんこんさんものがたり」に登場するヒロイン・ゆうがプレイヤーの中では「熱烈なファンが多いらしい」キャラクターだと言及されている。また、同誌のライター・伊織は「卒業」に登場するヒロイン・沙夜子について、怪獣を前にした状況の中で自身の悩みを優先して踏みとどまろうとする点を優柔不断な性格だと指摘した。PC98シリーズでは初めて256色に対応したアダルトゲームとなった5作目『Super D.P.S.』について伊織は、発売当時はプレイヤーにアリスソフト作品のためだけに256色対応ボードの購入を強いたかもしれないと言及しているが、とりわけ「遠野の森」に登場するクマの絵の精緻さを取り上げるなど、収録されたグラフィックについては評価している。一方、『PC Angel』誌では、ゲームに登場するおバカなキャラクターを選出する企画「KING OF BAKA」が行われた際、「遠野の森」に登場する青少年・鷹雪が選出されている。
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