古墳概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 02:24 UTC 版)
全長82メートル、直径66メートル、高さ11メートルの円墳に小さな前方部が付いた帆立貝式古墳(ほたてがいしきこふん)としては日本国内でも有数の規模を誇る。1897年(明治30年)に発掘調査がおこなわれ、石棺が見つかった。このときに見つかった多量の副葬品は、帝国博物館(後の東京国立博物館)に収蔵された。 墳丘では葺石・埴輪を確認している。周りに馬蹄形の溝(周壕)がめぐらされている。 また、後円部に埋葬用の棺が4基あり、その第1主体部は割竹型の木棺は長さ8.2メートル、幅0.8~0.6メートルの細長く、その中から短甲(たんこう)、冑(かぶと)、頸甲(あかべよろい)、肩甲、鉄剣、直刀19振り、鉄鏃25本以上、鉄製刀子、鉄鎌、銅鏡(内向花文鏡)、銅釧(どうくしろ)刀子・手斧などの石製模造品19点、竪櫛30点以上、玉類2000点以上、靫(ゆき)ないし矢筒などで出土した。 箱式石棺からは勾玉・管玉・臼玉・鉄刀・剣・甲冑片などの武器・武具、玉類などのほか、滑石によってつくられた多種多様で大量の器具類が副葬品として納められていることを確認した。滑石製模造器具は、石履、石の台・坏・盤・甑・斧、233点におよぶ石製の刀子などである。刀子は14形式に分類されるなど、5世紀代古墳の示標となる考古資料となった。 これら調査成果は後藤守一によって1936年(昭和11年)によって報告書のかたちでまとめられている。 東京都の史跡であり、世田谷区遺跡番号127でもある。 主体部(左から第2・第1・第3主体部) 前方部(左)と造出(右) 出土品東京国立博物館展示。 石製槽東京国立博物館展示。 石製履東京国立博物館展示。
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