取経詩話の内容とは? わかりやすく解説

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取経詩話の内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 15:55 UTC 版)

西遊記の成立史」の記事における「取経詩話の内容」の解説

詩話』の内容は、唐の明皇(玄宗皇帝)の時代皇帝の命を受け5人の弟子をつれて取経の旅に出た三蔵が、白衣を着るサル行者花果山紫雲八万四千額獼王と名乗る)に出会い、その案内で昆沙門天の梵天宮へ行って道中加護を受ける。その後香山寺獅子林大蛇嶺、九龍池、鬼子母国、女人国、西王母池、沈香国、波羅国、優鉢羅国などを旅して天竺国へ到着し、5048巻の仏典授けられた。帰途香林寺定光仏から、唯一足りなかった『般若心経』を受け取り長安帰国して全員昇天するというものである最後の第17章では、玄奘や取経とほとんど関係のない継子いじめの話が語られる)。行者鉄骨菩薩に封ぜられた。全体として西域の珍しい国々起き様々な事件を、法師行者面白おかしい身振や動作奇知富んだ問答会話によって次々解決していく展開を特徴とする物語である。 大きな特徴として、孫悟空原型である「行者」が登場して三蔵法師一行道案内役を務め沙悟浄原型とみられる深沙神登場している点が挙げられる深沙神前世2度三蔵法師食らってしまったが、今回前非悔いて砂漠けて一行を通す)。また、観世音菩薩代わりに毘沙門天三蔵法師守護する行者は金の環のついた錫杖得物とし、神通力様々な妖怪と戦うなど、後の孫悟空につながる原型見られる伝統的な中国説話においてはサルは「」字で表現されどちらかといえば凶悪粗野なのに対し行者は「獼」と表現され仏教を敬う姿勢見られることから、ここにも仏典影響見て取れる。 ただし行者は後の『西遊記』孫悟空とは異なり全篇登場して活躍するわけではなく、全17章のうち第9、1213章においては少なくとも個人として登場せず、物語ハイライトとなる第5、6、7および11章で主に活躍する。むしろストーリー全篇登場する中心人物依然として法師」すなわち玄奘三蔵である。なお、この物語では玄奘三蔵呼ばれるようになった由来三度天竺行き一度に一ずつ、あわせて三蔵授かったから、三蔵法師となったとしている(第17章)。ただし玄奘深沙神二度まで食われたため、そのうちの一蔵し渡来しなかったとする前代深沙神説話変化している様子見られる。また王母池にさしかかった際、たわわに実っている蟠桃見て行者盗んで参れそそのかすなど、俗人的性格も持つ僧侶として描かれている。

※この「取経詩話の内容」の解説は、「西遊記の成立史」の解説の一部です。
「取経詩話の内容」を含む「西遊記の成立史」の記事については、「西遊記の成立史」の概要を参照ください。

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