即興曲第2番 嬰ヘ長調とは? わかりやすく解説

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ショパン:即興曲第2番 嬰ヘ長調

英語表記/番号出版情報
ショパン:即興曲第2番 嬰ヘ長調Deuxième Impromptu fis-Moll Op.36 CT44作曲年1839年  出版年1840年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel 

作品解説

2008年7月 執筆者: 朝山 奈津子

Impromptu」とはラテン語由来し、「準備のできていない」ことを意味する。この言葉1822年偶然に二人作曲家同時に自作品に用いたのが最初とされる音楽ジャンルとして即興曲は、演奏技術として即興とはあまり関係がない。それは単に、即興風の雰囲気反映した楽曲という意味であり、19世紀以降音楽ジャンルである(なお、即興風の音楽というアイデア自体はけっして19世紀固有のものではないが、それ以前には、トッカータカプリッチョなど様々な名称で呼ばれた)。
 19世紀前半において、即興曲伝統大きく2つ流れがあった。ひとつは、流行しているオペラ・アリアの旋律民謡旋律などを変奏しながら続けるもので、チェルニーカルクブレンナーなどの他、リストにも佳作がある。もうひとつが、特定の形式もたない抒情的な音楽内容のもので、この言葉最初に用いたというヴォジーシェクマルシュナーのほか、シューベルト即興曲がその代表である。ただし、形式定まらないといっても、多くはA-B-Aのアーチ型をしている。
 ショパンは、シューベルト連なる伝統継承し、その創作中期に《幻想即興曲》および3つの即興曲》を残したいずれも明確なアーチ型であり、中間部を「ソステヌートsostenuto」と称する

 第2番主題旋律一見するとそれほど即興的」ではない。リズム刻みは明確で、A部分には覚えやすく明朗なSostenutoには威厳あふれる旋律用いられている。しかし、第19小節ですでに、主題確保に際に音型の細分化起こっている。そして、第61小節主題再現が始まると、この曲が変奏伝統取り入れていることに気づくのであるつかみ所のない左手伴奏によって全体攪乱され右手後半では三連音符分割されてしまう。また、この部分イ短調から嬰ヘ長調へ、ほとんど何の予告もなしに跳んでおり、こうした突然の色あいの変化変奏効果として計算されている。第82小節からは、19小節にわたる華麗なパッセージワークが始まるが、これは冒頭17小節20連音符拡大したものと考えられる。しかし、最後の9小節忠実に再現されており、主題回帰安心感ひととき生まれる。なお、最後2つの音をフォルティシモとするのは初版譜に基づく指示である。ショパンスケッチイギリス出版された稿では、第110小節最終音のみにフォルティシモ付けられている。




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