即興曲第1番 変イ長調とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > ピティナ・ピアノ曲名 > 即興曲第1番 変イ長調の意味・解説 

ショパン:即興曲第1番 変イ長調

英語表記/番号出版情報
ショパン:即興曲第1番 変イ長調Impromptu As-Dur Op.29 CT43作曲年1837年  出版年1837年  初版出版地/出版社: Wessel, Schlesinger  献呈先: Caroline de Lobau

作品解説

2008年7月 執筆者: 朝山 奈津子

Impromptu」とはラテン語由来し、「準備のできていない」ことを意味する。この言葉1822年偶然に二人作曲家同時に自作品に用いたのが最初とされる音楽ジャンルとして即興曲は、演奏技術として即興とはあまり関係がない。それは単に、即興風の雰囲気反映した楽曲という意味であり、19世紀以降音楽ジャンルである(なお、即興風の音楽というアイデア自体はけっして19世紀固有のものではないが、それ以前には、トッカータカプリッチョなど様々な名称で呼ばれた)。
 19世紀前半において、即興曲伝統大きく2つ流れがあった。ひとつは、流行しているオペラ・アリアの旋律民謡旋律などを変奏しながら続けるもので、チェルニーカルクブレンナーなどの他、リストにも佳作がある。もうひとつが、特定の形式もたない抒情的な音楽内容のもので、この言葉最初に用いたというヴォジーシェクマルシュナーのほか、シューベルト即興曲がその代表である。ただし、形式定まらないといっても、多くはA-B-Aのアーチ型をしている。
 ショパンは、シューベルト連なる伝統継承し、その創作中期に《幻想即興曲》および3つの即興曲》を残したいずれも明確なアーチ型であり、中間部を「ソステヌートsostenuto」と称する

 第1番では、旋律拍節構造にはまりこんでしまうのをできるだけ避けようと、様々な工夫なされている。第1番では、右手旋律跳躍進行順次進行組み合わせて作られるが、跳躍はたいていが弱拍現われる旋律上のアクセント位置をずらす手法多様で、冒頭トリルがすでにこれに当たるまた、第8小節登場するシンコペーション動機や、Sostetuto部でしばしば第2拍に付けられるアクセントはもちろん、第23小節では三連音符2つずつにまとめるよう指示されている。
 こうした実にきめの細かな演奏指示は、即興雰囲気演出するためであり、即興曲きわめて精緻な計算のもとに作曲されていることがよく判る軽やかな紡ぎだしの旋律無窮動左手伴奏効果を表わして、即興曲のひとつの典型をなす作品となっている。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「即興曲第1番 変イ長調」の関連用語

即興曲第1番 変イ長調のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



即興曲第1番 変イ長調のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
社団法人全日本ピアノ指導者協会社団法人全日本ピアノ指導者協会
Copyright 1996-2025 PianoTeachers' National Association of Japan

©2025 GRAS Group, Inc.RSS