即興曲第3番 変ト長調とは? わかりやすく解説

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ショパン:即興曲第3番 変ト長調

英語表記/番号出版情報
ショパン:即興曲第3番 変ト長調3e Impromptu Ges-Dur Op.51 CT45作曲年1842年  出版年1843年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel  献呈先: le Comtesse Estherházy née Comtesse Battyany

作品解説

2008年7月 執筆者: 朝山 奈津子

Impromptu」とはラテン語由来し、「準備のできていない」ことを意味する。この言葉1822年偶然に二人作曲家同時に自作品に用いたのが最初とされる音楽ジャンルとして即興曲は、演奏技術として即興とはあまり関係がない。それは単に、即興風の雰囲気反映した楽曲という意味であり、19世紀以降音楽ジャンルである(なお、即興風の音楽というアイデア自体はけっして19世紀固有のものではないが、それ以前には、トッカータカプリッチョなど様々な名称で呼ばれた)。
 19世紀前半において、即興曲伝統大きく2つ流れがあった。ひとつは、流行しているオペラ・アリアの旋律民謡旋律などを変奏しながら続けるもので、チェルニーカルクブレンナーなどの他、リストにも佳作がある。もうひとつが、特定の形式もたない抒情的な音楽内容のもので、この言葉最初に用いたというヴォジーシェクマルシュナーのほか、シューベルト即興曲がその代表である。ただし、形式定まらないといっても、多くはA-B-Aのアーチ型をしている。
 ショパンは、シューベルト連なる伝統継承し、その創作中期に《幻想即興曲》および3つの即興曲》を残したいずれも明確なアーチ型であり、中間部を「ソステヌートsostenuto」と称する

 第3番は、第1番とほぼ同様の手法用いショパンの《即興曲》の典型をなしている。すなわち、無窮動三連音符ずらされアクセント多用される前打音などがそれである。第3番では新たにテクスチュア濃淡によってテンポ感を操作する手法取り入れられている。
 また、第1番主題第3番序奏旋律はどこか関連感じさせるそのようにみると、4つの《即興曲》のすべてに旋律連関見いだすことも可能である。たとえば、第1番のSostetuto主題第2番冒頭主題旋律と《幻想即興曲》のSostenuto現われる旋律骨格は、明らかに類似している。ただ、こうした連関ショパン意識していたとは確かめられないし、たとえ意図的なものであったにせよ、作曲家遊び上のものではないだろう4つの《即興曲》は各曲独立性強く、通奏するタイプの曲集を成していないからである。




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