単振動が現れる系とは? わかりやすく解説

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単振動が現れる系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 21:28 UTC 版)

単振動」の記事における「単振動が現れる系」の解説

単振動は、物理学全域さまざまな形現れる力学的なものから電磁気学的なものまで、単振動実例幅広い単振動は、振動および波動という現象における最も単純な形であり、なおかつ様々な物理現象記述する概念として高い重要性を持つ。 単振動が起こる系は調和振動子呼ばれる調和振動子代表例一つが、質点とばねの系である。重り質点)がばねで吊り下げられ揺れている系を考える。ばねはフックの法則に従うとする。現実には空気抵抗などによって振動次第止まるが、そのような減衰作用今は無視する重り質量を m、ばねのばね定数を k、吊り下げられ重り静止している状態からの上下方向変位を δ とする。この重り運動方程式m d 2 δ d t 2 = − k δ {\displaystyle m{\frac {d^{2}\delta }{dt^{2}}}=-k\delta } となる。さらに、両辺を m で割り、k/m = ωn2 とおいて d 2 δ d t 2 = − ω n 2 x {\displaystyle {\frac {d^{2}\delta }{dt^{2}}}=-\omega _{n}^{2}x} と変形する。この式は数学的に定数係数非同次線形常微分方程式であり、δ の一般解次のような単振動与えられる。 δ = A sin ⁡ ( ω n t + ϕ ) {\displaystyle \delta =A\sin(\omega _{n}t+\phi )} その他の単振動表現余弦関数正弦関数和や複素共役複素指数関数の和)も、δ の一般解である。この単振動角振動数 ωn は ω n = k m {\displaystyle \omega _{n}={\sqrt {\frac {k}{m}}}} であるから揺らし始めるときに重り最初に動かす量や重力大きさなどとは無関係に決まっている。ωn は、ばね定数質量という系に固有の値のみで決まるため、固有角振動数呼ばれる一方振幅 A と初期位相 φ の値は、最初にどのような状態が重り与えられるかによって決まる。t = 0与えられる変位を δ0 、速度を v0 と表せば、A と φ は次のように与えられる。 A = δ 0 2 + ( v 0 ω n ) 2 {\displaystyle A={\sqrt {\delta _{0}^{2}+\left({\frac {v_{0}}{\omega _{n}}}\right)^{2}}}} ϕ = tan − 1 ⁡ ( ω n δ 0 v 0 ) {\displaystyle \phi =\tan ^{-1}\left({\frac {\omega _{n}\delta _{0}}{v_{0}}}\right)} 一般に、ω を正の定数として、 d 2 x d t 2 + ω 2 x = 0 {\displaystyle {\frac {d^{2}x}{dt^{2}}}+\omega ^{2}x=0} という形で表される微分方程式単振動方程式呼ばれ、その一般解単振動となる。dx/dt = v と表すとき、単振動の系は次のようなハミルトニアン H を持つため、系はハミルトン系としての特性を持つ。 H = ω 2 2 x 2 + 1 2 v 2 {\displaystyle H={\frac {\omega ^{2}}{2}}x^{2}+{\frac {1}{2}}v^{2}} すなわち、 { d x d t = ∂ H ∂ v d v d t = − ∂ H ∂ x {\displaystyle {\begin{cases}{\dfrac {dx}{dt}}={\dfrac {\partial H}{\partial v}}\\{\dfrac {dv}{dt}}=-{\dfrac {\partial H}{\partial x}}\end{cases}}} が満たされ、dH/dt が常に 0 より H の値は時間に対して不変である。物理的な系では、ハミルトニアン H は系が持つエネルギー相当し、H が時間不変であることは単振動エネルギー保存しながら運動していることを意味する物理学現れるその他の単振動の例には、振り子電気回路LC回路、2原子分子熱振動などがある。一般的に保存力を受ける系で、そのポテンシャルエネルギー極小近傍振動していれば、その運動調和振動子近似できる

※この「単振動が現れる系」の解説は、「単振動」の解説の一部です。
「単振動が現れる系」を含む「単振動」の記事については、「単振動」の概要を参照ください。

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