卒業生とトクヨとは? わかりやすく解説

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卒業生とトクヨ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 03:49 UTC 版)

日本女子体育専門学校 (旧制)」の記事における「卒業生とトクヨ」の解説

社会人として困らないように」という気遣いから、卒業する学生一人ひとりに新任挨拶練習をさせて、これを添削指導した。トクヨは体操塾第1期卒業生次の言葉送っている。 「 学校我が家心得校長を親と思うて大切に仕へよ同僚を師と仰ぎ生徒国宝と思へ、常に職を励みて業を成し、倹を行ひて身を立て、道を崇め国家奉仕怠るべからず、かくて汝の生命をして最も幸福ならしめよ。 」 この言葉はさらに洗練されて、体専校訓というべき「我らの『つとめ』」に昇華した。 「 我らの「つとめ」校長主君心得て忠勤を励むべし 長上父母心得て孝を励むべし 同僚師匠心得て敬愛の念を致すべし 生徒国宝心得て身命懸け教養すべし 僕婢肉身心得て慈悲怠るべからず優秀な卒業生には体操塾体専に残るように声をかけ、教師スカウトした。例え人見絹枝は一旦就職したもののトクヨに呼び戻され真保正子は残るよう促されたが大阪府泉尾高等女学校現・大阪府泉尾高等学校)に就職した実際に体専教師になった卒業生もおり、1926年大正15年)の1年生教員配当計画表には宮崎つや、御笹政重の2人卒業生名がある。 トクヨは体操塾教え子まとめて「力の会」を組織し東京女高師時代教え子である四大会(1915年大正4年入学生)、七正会(1918年大正7年入学生)、耐久会(1920年大正9年入学生)と合わせて会(おうぎくかい)を1925年大正14年)に立ち上げた。すなわちイギリス留学以降のトクヨの教え子束ねた同窓会であり、それまでトクヨが発行してきた雑誌『ちから』を会の会誌変更した。トクヨは卒業生にも愛情注ぎ多くの手紙を卒業生送った。 トクヨの没後体専同窓会は、清寿校長組織した徳会」に移行した時代組織だった同窓会活動行われておらず、トクヨと卒業生個人的なつながりや、同じ釜の飯を食った仲として卒業生自主的に奉仕することで活動していた。清寿は、トクヨの学校葬の場で同窓会再興提案し精神的支柱失った卒業生はこれに「万雷如き拍手」で賛同したため、1942年昭和17年)に徳会が発足した徳会は「しょうとくかい」と読み学校所在地松原の「」とトクヨの「徳」をとって命名した。「しょうとくかい」の音は「頌徳会」と同じであり、「トクヨを讃えるの意味合いをかけたものであった。 ある卒業生は、小学校1年務めた後、トクヨに会い行った。トクヨは卒業生に板を洗い立てかけて干すよう頼み卒業生立てかけるより地面置いた方が早く乾くだろうと考え枕木の上置いて干した。ところが夕立見舞われで泥がはね返り乾くどころか洗う前より汚れてしまう結果となった。これを見たトクヨは「あんたは1年間外に出たために、もうそんなに人格堕落したのか」と激怒した卒業してなお叱られてしまった卒業生は、「トクヨが自分叱ってくれるのは、自分のことを相当信用してくれているからだ」と感じたという。

※この「卒業生とトクヨ」の解説は、「日本女子体育専門学校 (旧制)」の解説の一部です。
「卒業生とトクヨ」を含む「日本女子体育専門学校 (旧制)」の記事については、「日本女子体育専門学校 (旧制)」の概要を参照ください。

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