医薬品による治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 09:38 UTC 版)
外用薬 処方箋医薬品では、日本の皮膚科で一般的に処方される抗菌剤配合の局所外用剤として下記がある。耐性菌の増加の問題点があるため、抗菌薬単独の使用は世界では推奨されず、維持期には抗菌薬は使用しない。 抗菌薬(抗生物質) - クリンダマイシン、ナジフロキサシン、2015年承認のオゼノキサシン。 局所外用剤として下記があり、抗菌薬と併用されることもあり、また維持期にはこれらを用いる。 過酸化ベンゾイル、殺菌作用を持つ。過酸化ベンゾイル3%とクリンダマイシン1%(抗生物質)の配合ゲル。 アダパレン(レチノイド)、角化の異常を是正する。アダパレン0.1%と過酸化ベンゾイル2.5%の配合ゲル。 アゼライン酸は、米国のガイドラインで「過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンの併用」と共に、推奨度Aでかつエビデンスレベルが最高のIになっているが、日本では医薬品としては未承認で保険適応外であることから選択肢のひとつとされる。これは小麦など穀類や酵母に含まれる成分で抗菌、皮脂分泌抑制、抗炎症作用、角化異常の抑制作用があり商品名DRX AZAという、病院専用の化粧品に配合され販売されている。 ケミカルピーリングは日本で保険適応外で、治療法同士の比較がないことから、2016年の日本のガイドライン推奨度は低くなっているが、グリコール酸やサリチル酸を使って165人中の約1/3の人で著効であった。顔の半分を偽薬対照とした二重盲検のサリチル酸マクロゴールの使用では、炎症性/非炎症性のざ瘡は偽薬に比較して有意に減少した。 硫黄製剤(軟膏など)は、ざ瘡への適応があるが、日本の治療ガイドライン2017では臨床試験が行われていないことから推奨する十分な根拠がないとされているが、選択肢のひとつとされている。 副作用では、医療用医薬および市販薬中に非ステロイド性外用薬として配合されるイブプロフェンピコノールを含有する軟膏による接触皮膚炎の発生が報告されている。 一般医薬品、処方箋不要の薬剤としては、サリチル酸やレゾルシノール、硫黄を含んだクリーム状の薬(軟膏)で、これらは吹き出ものを乾かす効果があるが、若干のかさつきが生じる場合がある。古くからある民間療法としては硫黄液がある(足白癬#硫黄も参照)。 保湿剤が役に立つ理由は、過酸化ベンゾイル、アダパレンやイソトレチノインなどレチノイド医薬品や、サリチル酸は皮膚を乾燥させる傾向があるためであり、「オイルフリー」「ノンコメドジェニック」「毛穴につまらない」といった表示はニキビを起こしそうにないという商品の説明書きとなり、使用から4-8週間後にニキビが減る。ジメチコンとグリセリンは「オイルフリー」などといった説明に対応する頻繁に併用されている成分で、面皰を起こさず低アレルギー性なのでニキビのある人に適しており、緑茶成分(後述)、抗炎症性の裏付けのある亜鉛を含んでいるものもある。
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