医薬品と異性体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 07:03 UTC 版)
医薬品では異性体によって医学的性質が大きく異なるものが多くある。例えば、テオブロミンはチョコレートから見つかったキサンチンの誘導体で、カフェインと同様に血管拡張薬として使われるが、テオブロミンの2つの環に結合する2つのメチル基の位置が変わったテオフィリンは気管支拡張や抗炎症などの効果がある。また同様な例がフェネチルアミンから合成される精神刺激薬にも見られる。フェンテルミン(英語版)は非キラル化合物であり、アンフェタミンと同じ効能を持つが、その効果は弱い。フェンテルミンは食欲促進剤として使われているが、精神刺激効果は弱いか、ほとんどない。しかし、フェンテルミンの異性体であるd-メタンフェタミンはアンフェタミンより強い精神刺激効果がある。 光学異性体は生体活性が異なるため、医薬品化学や生化学において特に関心を集めている。これらの異性体は光学分割や不斉合成によって分離される。
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