化石燃料の浪費と二酸化炭素増加による環境破壊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 04:10 UTC 版)
「エコキャップ運動」の記事における「化石燃料の浪費と二酸化炭素増加による環境破壊」の解説
輸送時 エコキャップ運動はその特性上、キャップを送付先に送る必要がある。現状ではエコキャップは他の輸送物とともに輸送されているため、新たな環境負荷は発生していないが、エコキャップ運動が本格化して専用回収等が実施されると各学校・各店などからキャップを輸送するのに必要なエネルギー投入が膨大になり、輸送時に大量のCO2等が排出されるため、逆に環境に悪影響を与えることになる。 エコキャップ推進協会は、同協会の資料によれば沖縄県などの離島や、海外のアメリカ、中国、オーストラリア、タイ、ケニアからキャップを回収した実績がある。 リサイクル時 ペットボトルキャップの原材料にはポリエチレン・ポリプロピレンと複数あり、単一ではない。 そのため、選別をせずに材料としてケミカルリサイクルすることはできず、その場合は純粋なポリエチレン製品・ポリプロピレン製品にリサイクルすることは不可能で、安定した品質の再生品を作り出すことが難しく用途が限られ市場価格は低い[要出典]。 この問題点を解決するため、プラスチックのリサイクルを行う進栄化成株式会社は、近赤外光センサーで「2種類の樹脂(ポリエチレン・ポリプロピレン)」および「白色とその他の色」別の計4種類に選別粉砕加工する機械エコキャップ選別システムを開発し運用しているが、この装置は1台5000万円と高価なため普及には至っていない。 また、家庭や学校から配達される一般廃棄キャップには汚れが存在していたり、懸賞シールの付着等、キャップ以外のゴミが混ざっている。そのため、不純物の分別・洗浄・脱水乾燥の工程が必須であり、さらに粉砕した上で溶融される。このような工程を踏んだ上で再生プラスチック製品ができる。この分別・洗浄などの過程には膨大なエネルギーが投入され、大量の二酸化炭素が発生する。 省資源ではなく二酸化炭素の増加に問題を絞った場合、製品・工場によって投入されるエネルギーは様々ではあるが、一般廃棄プラスチックのリサイクルによって作られるプラスチック製品の生産が、焼却によって増える二酸化炭素を下回るエネルギーで可能な実用レベルの方法は現在の技術をもってしても存在していない。 そのため、リサイクル活動全体によるエネルギー投入・二酸化炭素の増加が、焼却による二酸化炭素の増加を上回っている。 また、エコキャップ運動を学校等で行う場合、活動に参加しようとペットボトル飲料を必要以上に購入する本末転倒な行為を助長して資源の無駄遣いに繋がったり、ペットボトル以外の環境に低負荷な容器を選択するという真の環境保護教育に繋がっていないという批判がある。
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