化石燃料への依存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:44 UTC 版)
詳細は「Agriculture and petroleum and Peak oil's effects on agriculture」を参照 緑の革命の結果として農産物が増産を続ける中、その過程におけるエネルギーの利用(作物の生産はエネルギーの消費を必須とするため)もまた劇的な増加率を示し、作物の生産に要するエネルギーの効果の割合は減少してきた。緑の革命の技術はまた化学肥料と殺虫剤と除草剤に著しく依存し、そのうちのいくつかは化石燃料から開発しなければならず、農業の石油製品への依存をもたらした。 1950年から1984年にかけて、緑の革命は世界の農業を変え、世界の穀物の生産量は250%にまで増加した。緑の革命のためのエネルギーは化学肥料(天然ガス)、殺虫剤(石油)、そして炭化水素による灌漑によって供給されている。 コーネル大学で環境学と農学の教鞭を執るデイヴィッド・ピメンテル教授と国立食料・栄養研究所で主任研究員を務めるマリオ・ジャムピエトロは、「食料、土地、人口と米国経済」と題する研究において、持続可能な経済が支えることができる米国の人口は2億人であると指摘している。持続可能な経済を維持し、大災害を防ぐため、米国は少なくとも人口を3分の1減少させなければならず、世界人口も3分の2減少させなければならないと研究は述べている。 この研究の著者たちは言及されている農業の危機は2020年以降に人類に与える打撃のほんの序章が始まっただけに過ぎず、2050年までに危機的なものになることはないだろうと信じている。来るべき地球規模の石油産出の頭打ち(とその後に続く産出の低下)と北米における天然ガス産出の頭打ちはこの農業の危機の到来をずっと早めるだろうと予想されている。 地質学者のデイル・アレン・ファイファーは来るべき数十年、かつて経験したことのない休むことのない食料価格の上昇と大規模な飢餓が地球規模で見られるだろうと主張している。 しかし、一つ指摘しておかなければならないのは、(数字はザ・ワールド・ファクトブックから)、米国よりはるかに人口密度の高いバングラデシュが2002年に食料の完全自給を達成したことである。(米国の人口密度は30km2当たり1000人であるのに対し、バングラデシュは1km2当たり1000人であり、これは30倍以上である)。それも米国が利用するのに比べてほんのわずかな石油、ガス、電気によってである。また、産業革命以前の中国の零細農家や造園家は1km2当たり1000人以上の人口を養うことができるの農業技術を開発していた(1911年のF.H.キングの報告、東アジア四千年の永続農業を参照)。
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