勇払原野とは? わかりやすく解説

勇払平野

(勇払原野 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/12 04:18 UTC 版)

勇払平野周辺

勇払平野(ゆうふつへいや)は、北海道にある苫小牧市を中心とする平野

概要

北は小高いを経て石狩平野へ繋がっており、南側は太平洋に面する。平野の大部分は苫小牧市で、西部は苫小牧の市街地で東部は勇払原野(後述)が広がっている。

北海道全体の港湾貨物取扱量の40%以上を占める苫小牧港があるため、北海道の経済の中心である札幌都市圏との間の交通が発達しており、石狩平野とのつながりは強い。また東部は苫小牧東部開発地域として苫小牧東港が設けられ、重工業誘致のための大規模開発地域に指定されたが、当初は誘致に応じた企業が少なかった。その後、石油備蓄基地の建設や、近年になり、自動車部品やパソコン周辺機器などの企業進出の増加がみられる。

勇払原野

元々勇払平野は支笏古火山、樽前山等の噴火による軽石を含む火山灰地である。さらに西側は樽前川、東側は勇払川、美々川などの複数の河川を含む湿原湿地であった。現状、まだ自然が残っている東側を勇払原野と呼んでいるが、特に原野として当初から保護されていたわけではなく、石油危機によって開発計画が中止されて取り残された約3万6千ヘクタール[1]が勇払原野と呼ばれている。実際に、東部の植苗地区や沼ノ端地区は、かつては広葉樹からなる原生林が多く残っていたものの現在は宅地化が進んでいる。このほか、苫小牧東部開発地区に含まれていた弁天沼はウトナイ湖よりは規模が小さいとはいえ渡り鳥の中継地であるが、開発地区に含まれていたために鳥獣保護区などの指定はされていない。

バードサンクチュアリ及びラムサール条約に登録されているウトナイ湖が存在し、多くの野鳥が観察されるほか、国内においてハスカップの最大の群生地である。

日本野鳥の会によると、勇払原野で確認されている鳥類は、チュウヒアカモズオジロワシタンチョウといった絶滅危惧種や希少種を含めて277種。原野東部で計画されている風力発電所に対して、バードストライクなどが懸念されるとして2020年7月9日に見直しを要請するよう求める要望書を北海道知事へ送った[1]北海道大学助教授の先崎理之助(保全生態学)らは2021年、シマクイナの繁殖を日本国内では初めて確認した[2]

勇払原野は、現在の海岸沿いに発達した砂嘴の内側の湖水が淡水化して、平野を形成したもので、海岸線沿いに数メートルの高さの砂丘を持っていたが、最近[いつ?]の海岸線の浸食で、砂丘の多くが失われた。

脚注

  1. ^ a b 「勇払原野風力発電 道は見直し要請を 日本野鳥の会」『朝日新聞』2020年7月10日(北海道面)
  2. ^ 「シマクイナ繁殖 初確認/北大研究チーム 勇払原野で」『読売新聞』朝刊2021年5月18日(北海道面)

関連項目

  • 井沢八郎 - 1982年にシングル『勇払原野』をリリース。

勇払原野

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 05:38 UTC 版)

勇払平野」の記事における「勇払原野」の解説

元々勇払平野支笏火山樽前山等の噴火による軽石を含む火山灰地である。さらに西側樽前川東側勇払川美々川などの複数河川を含む湿原湿地であった現状、まだ自然が残っている東側を勇払原野と呼んでいるが、特に原野として当初から保護されていたわけではなく、たまたま開発から取り残された約36千ヘクタールが勇払原野と呼ばれている。実際に東部植苗地区沼ノ端地区は、かつては広葉樹からなる原生林多く残っていたものの現在は宅地化進んでいる。このほか、苫小牧東部開発地区含まれていた弁天沼ウトナイ湖よりは規模小さとはいえ渡り鳥中継地であるが、開発地区含まれていたために鳥獣保護区などの指定はされていないバードサンクチュアリ及びラムサール条約登録されているウトナイ湖存在し多く野鳥観察されるほか、国内においてハスカップ最大群生地である。 日本野鳥の会によると、勇払原野で確認されている鳥類は、チュウヒアカモズオジロワシタンチョウといった絶滅危惧種希少種含めて277種。原野東部計画されている風力発電所に対してバードストライクなどが懸念されるとして2020年7月9日見直し要請するよう求め要望書北海道知事へ送った北海道大学助教授先崎理之助(保全生態学)らは2021年シマクイナ繁殖日本国内では初め確認した。 勇払原野は、現在の海岸沿いに発達した砂嘴内側湖水淡水化して、平野形成したもので、海岸線沿いに数メートルの高さの砂丘持っていたが、最近[いつ?]の海岸線浸食で、砂丘多く失われた

※この「勇払原野」の解説は、「勇払平野」の解説の一部です。
「勇払原野」を含む「勇払平野」の記事については、「勇払平野」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「勇払原野」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「勇払原野」の関連用語

勇払原野のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



勇払原野のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの勇払平野 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの勇払平野 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS