前作を遥かに超える問題作『ドン・ジュアン』上演とは? わかりやすく解説

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前作を遥かに超える問題作『ドン・ジュアン』上演

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 08:46 UTC 版)

モリエール」の記事における「前作を遥かに超える問題作『ドン・ジュアン』上演」の解説

モリエールこのころ私生活において極めて波乱満ちた生活を送っていた。1662年結婚した妻・アルマンド・ベジャールとの夫婦関係うまくいかず、数年前から抱えていた胸部の疾患悪化しており、健康状態良くなかった。そこへ来てタルチュフ』は上演禁止され、その解禁取り付けるための画策労力を費やさなければならない。そのうえ6月公演無料入場者を拒否したために、パレ・ロワイヤル入り口では流血騒ぎ起こり多額見舞金支払わされる羽目になった9月には親友が、10月には南フランス修業時代から苦楽を共にしてきた団員デュ・パルクマルキーズの夫)が、11月10日には息子ルイ1歳にもならずにこの世去った。。 こうして肉体的に精神的に激しダメージ負ったモリエールは、積極的に劇場上演を行うよりも、王弟殿下貴族私邸で『タルチュフ』を含む自らのこれまでの作品上演にかけることが多くなった。劇場では11月に『エリード姫』の市民向け公演パレ・ロワイヤル始まりある程度成功おさめたが、その成功いつまでも続くとは思えなかった。 だがモリエールは、こうして足踏みしているわけにもいかなかった。ライバルたちとの競争に敗けるわけにはいかないし、すでに彼は多く座員抱え劇団座長であり、その生活を保証しなければならない重い責任抱えていたからである。こうして追い詰められモリエールは、手っ取り早く成功を収めるためにドン・ジュアン伝説目を付けた。ちょうどパリ流行していたし、おあつらえ向きなことに喜劇的な題材でもある。そして何より自分苦しめキリスト教狂信者たちへの恨み晴らし奴らへの激烈な批判をも容易く盛り込める話の筋ではないかこれ以上ない題材見つけたモリエールは、一気呵成作品書き上げた。こうして完成したのが『ドン・ジュアン』である。短期間のうちに書き上げられたために、当時戯曲を書く際に守るべき規則アレクサンドラン三一致の法則)などを悉く踏みにじっており、形式的な完成度決し高くない。 「ドン・ジュアン (戯曲)」も参照ドン・ジュアン』は1665年2月15日上演開始された。モリエール目論通り滑り出しから興行成績絶好調であったが、やはり狂信者たちは黙っていなかった。彼らの批判が早速始まったので、モリエールもこの批判内容一部汲んで作品場面一部削除するなどして再び上演にかけたが、批判は止むどころかますます強くなっていった。そのため、観客の反応良いにも関わらず、わずか15回で上演取りやめなければならなかった。一時的な上演自粛であればまだよかったものの、この作品はこれ以後モリエール生存中には2度上演出版されなかった。その内容あまりに過激であったため、1682年初めモリエール全集世に出た時もこの作品大幅な削除加えられた形で収録された。徹底して忌避され続けたため、誰の手加えられていないモリエール書いたままの『ドン・ジュアン』は散逸しかけたが、再び1841年舞台かけられた。実に200年近く眠りから覚めて舞台復帰であった

※この「前作を遥かに超える問題作『ドン・ジュアン』上演」の解説は、「モリエール」の解説の一部です。
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