一気呵成
一気呵成とは、一気呵成の意味
一気呵成(いっきかせい)とは、「一息に仕上げる」こと、すなわち途中で休んだりせず一気に(または大急ぎで)物事を成し遂げること、いわゆる突貫工事、を指す意味で用いられる表現。もともとは「文章を一気に仕上げる」さまを指す場合が多かったが、今日では文筆に限らず「突貫工事」的な進め方全般について用いられる。「一気呵成」の語そのものは名詞だが、「一気呵成に(~する)」という形で形容動詞的に用いられることが多い。一気呵成の語の由来・語源
「一気呵成」の語源・由来となる故事や古典文献などは特にない。出典としては明代の胡應麟(胡应麟)による「詩藪」が参照されることが多い。あるいは清朝の李漁の劇作品「閑情偶寄」などにも「一气呵成」の語が見出される。「詩藪」より――《则一篇之中句句皆律、一句之中字字皆律、而实一意贯串、一气呵成。》(すると詩篇の中の文という文がみな調和し、文中の字という字がみな調和して、そしてアイデアが完全にひとつにまとまり、一気に出来上がるのです)
「一気呵成」の「呵」の字には「息を吐く」という字義がある。これは「筆を呵す」という言い回しにおける「呵」と同じ字義といえる。すなわち「一気呵成」は「《ひといきに》成し遂げる」ということである。
「一気呵成」は日本語の感覚では「一気に-呵成する」と読みたくなるが、むしろ「一気呵に成す」と読むべきであろう。「呵成」という単語は日本語にも中国語にも見出されない。他方、現代中国語には「一气呵出」「一气呵作」「一气呵为(一気呵為)」のような言い方がある。
文筆以外の物事について「一気に仕上げる」という意味で「一気呵成」を語を用いた例としては、孫文の演説(在広州中国国民党懇親大会的演説)が参照されることが多い。
一気呵成の語の使い方(用法)、例文
一気呵成の類語と使い分け
一気呵成の類語としては、「一瀉千里」が挙げられる。流れ出した水が一気に千里の距離を渡るという意味を持ち、動きが速い様子や淀みなく話す様子を表現する語である。ただし「一気呵成」と違って「仕上げる」「成し遂げる」という終了のニュアンスが特に含まれない。また、「一瀉千里は」は執筆活動の他に弁舌の「よどみなく話す」さまを形容する意味で用いられることも多い。短期間で一気に進めて完成まで持っていく、という意味では「突貫工事」も挙げられる。工事とはいうが土木建築の分野に限らず幅広く使われている表現である。ただし多分に通俗的というかカジュアルな表現である。
一気呵成の英語
一気呵成は英語では at a stroke(一撃で・一気に・一挙に)や、 in one go(一度で)、あるいは at a breath(一息に・一気に)のような言い方で表現できる。「一気呵成」の例文・使い方・用例・文例
一気呵成と同じ種類の言葉
数字に関連する四字熟語 | 一擲千金 千篇一律 一気呵成 一期一会 一粒万倍 |
詩薮に由来する四字熟語 | 一気呵成 |
よく使う四字熟語に関連する四字熟語 | 自縄自縛 笑止千万 一気呵成 頭寒足熱 多事多難 |
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