制作決定までとは? わかりやすく解説

制作決定まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 07:45 UTC 版)

ザ・カブキ」の記事における「制作決定まで」の解説

ザ・カブキ』は、佐々木忠次がベジャール及び20世紀バレエ団1960年創立)を日本招聘する活動積み重ねる中で委嘱された。 佐々木東京バレエ団創立したのは1964年のことで、その頃にはすでにベジャールは独自の振付による『春の祭典』(1959年)『ボレロ』(1961年)などの作品により注目されていた。 海外オペラなどの来日公演企画するインプレサリオ興行主)でもあった佐々木は、1965年頃から20世紀バレエ団招聘向けて粘り強く交渉続け1967年初来日実現させた。 その後1978年1982年に同バレエ団招聘し、その間には映画愛と哀しみのボレロ』への出演でも知られる20世紀バレエ団ジョルジュ・ドンソリストとして招き、自らが主宰する東京バレエ団とのコラボレーションによるベジャール版『ボレロ』の公演実現させている。 これらの公演通して佐々木とベジャールは親交深め1983年7月には東京バレエ団ダンサーにベジャールが振付指導するまでになっていたが、佐々木事あるごとに依頼し続けていた「東京バレエ団ためのオリジナル作品」については、なかなか承諾得られずにいた。 ところが、1983年11月29日佐々木がベジャールが住むブリュッセル訪れた折に、ベジャールは東京バレエ団のために作品作ることを承諾した。ベジャールが自作名場面をまとめた作品『エロス・タナトス』が念頭にあった佐々木は、「ストーリーのない、日本歌舞伎名場面集」のような作品希望したが、ベジャールは歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』バレエ化提案し佐々木もこれを了承した。このときに『ザ・カブキ』というタイトル決定した。なお、ベジャールは『フォーティ・セブン・サムライズ』という副題をつけることを望んだが、最終的にこれは実現しなかった。 ベジャールは、愛好する三島由紀夫小説に基づくオペラ金閣寺』を聴いて感銘受けたことから、その音楽担当した黛敏郎に『ザ・カブキ』のバレエ音楽依頼することにした。また、美術衣裳については1981年からベジャールに協力していたブリュッセル在住ポルトガル人美術家、ヌーノ・コルテ=レアル(Nuno Côrte-Real )に決まった12月14日朝日新聞夕刊には『ザ・カブキ』の制作決定伝え記事掲載された。なお。記事中には実際に使われなかった副題見られるほか、実際よりも半年早い初演予定されていたことが分かるモーリス・ベジャールカブキ振り付け 東京バレエ団再来秋上現代最高の振付家として国際的に定評のあるモーリス・ベジャールが、歌舞伎テーマにした作品を、東京バレエ団のために振り付けるタイトルは「ザ・カブキ」と銘打ち、これに"仮名手本忠臣蔵より"の副題添えられる予定で、黛敏郎作曲85年春から練習入り同年秋に上演されるベルギー20世紀バレエ団上演することを目的つくられるベジャールの作品は、他の国バレエ団では上演許可されないケース多く、とくにオリジナル作品20世紀バレエ団以外で振り付けるのは今回がはじめて。それだけにこの計画は、欧州舞踊界で大きな反響を呼ぶものとみられる東京バレエ団では、当初85年欧州で3ヶ月にわたる長期講演旅行予定しその準備進めてきたが、ベジャールの話が急に決まったため、とりあえ海外公演1年延期し新作レパートリー中に取り入れたうえ、86年欧州でも発表する。 — 「朝日新聞12月14日夕刊、『朝日新聞縮刷版1983年12月号』、532頁より引用

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