初期の開票速報
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 09:49 UTC 版)
「NHKにおける選挙報道」の記事における「初期の開票速報」の解説
1928年の第16回衆議院議員総選挙の際に、ラジオの臨時ニュースや特設ニュースの形式で選挙結果が報じられたという。 ラジオ第1で開票速報が選挙特別番組として最初に行われたのは1946年4月の第22回衆議院議員総選挙のときである。この選挙では投票日翌日の4月11日の午後0時15分に行われた第1回開票速報を放送したのを皮切りに、13日の午後6時30分まで計23回にわたって開票速報の時間が設けられ、候補者別の得票状況や党派別当選者数を報じた。1949年1月の第24回衆議院議員総選挙では、東京と全国7か所の中央放送局を結んだリレー方式で開票速報が行われ、北は札幌から南は熊本まで各管内の開票状況が伝えられた。このときまでは選挙管理委員会の発表に基づいて開票速報が行われていた。 1952年の第25回衆議院議員総選挙から、NHKの自主取材に基づく開票速報となった。全国の放送局に放送記者が配置され取材網が整備されたことや、民放ラジオが新聞社との提携で開票速報に力を入れ始めていたことが背景にある。この時の開票速報では、大都市全ての開票所、小都市の選挙管理委員会、郡部では地方事務所に、それぞれ取材要員を配置した。そして東京ではスタジオに開票速報本部を設置し、アルバイトを含め180名余のスタッフを動員し、開票所からの報告をそろばんで集計して当確判定が行われた。 総合テレビでの開票速報が初めて行われたのは1955年2月の第27回衆議院議員総選挙 で、投票日当日の午後10時から12時までと、翌日の午前8時から午後7時まで、正午の定時ニュースを除いて、13時間にわたって行われた。この時の開票速報はラジオでも同時に行われていた速報の音声をそのまま流す方式で実施され、ラジオで候補者と開票数のアナウンスが行われるのに併せて、表に書かれた候補者氏名を棒で示して、その経過を伝えた。翌年の第4回参議院議員通常選挙では、あらかじめ用意した空欄のある表に、スタッフがフェルトペンで数字を逐次書き込んだものを撮影する方式がとられた。 1958年の第28回衆議院議員総選挙での開票速報に際しては、証券取引所で出来値表示に使用されていた回転式数字表示器 を採用して、視覚的・効率的に開票速報を行うことが可能になった。 開票速報の際にコンピューターを活用した得票数予測をするようになったのは1962年の第6回参議院議員通常選挙からで、1967年の第31回衆議院議員総選挙においては、番組制作共通システム「NHK-TOPICS」と上記の回転式表示器を連動させた装置を導入。これによって、懸案となっていたテレビとラジオの開票速報分離が実現した。1968年の第8回参議院議員通常選挙では、回転式表示器に代わって電子式文字表示装置「JAM」を導入。画面の瞬時切り替えに加え、得票予測や議席比率などのグラフ表示が可能となった。
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