冪乗
(冪指数 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/28 02:36 UTC 版)
演算の結果 |
---|
加法 (+) |
項 + 項 = 和 加法因子 + 加法因子 = 和 被加数 + 加数 = 和 |
減法 (-) |
被減数 − 減数 = 差 |
乗法 (×) |
因数 × 因数 = 積 被乗数 × 乗数 = 積 被乗数 × 倍率 = 積 |
除法 (÷) |
被除数 ÷ 除数 = 商 被約数 ÷ 約数 = 商 実 ÷ 法 = 商 分子/分母 = 商 |
剰余算 (mod) |
被除数 mod 除数 = 剰余 被除数 mod 法 = 剰余 |
冪 (^) |
底冪指数 = 冪 |
冪根 (√) |
次数√被開方数 = 冪根 |
対数 (log) |
log底(真数) = 対数 |
数学における冪乗(べきじょう、べき乗、英: 仏: 独: exponentiation)または冪演算(べきえんざん)は、底 (てい、英: base) および冪指数 (べきしすう、英: exponent) と呼ばれる二つの数に対して定まる数学的算法である。その結果は冪 (べき、英: power) と呼ばれる。表現の揺れにより同じ概念は日本語で「累乗」とも表現されており、初等教育ではこちらの表現のほうが多くなっている(本文参照)。
概要
底 b および冪指数 e をもつ冪は、底の右肩に冪指数を乗せて be のように書かれる。
『冪』の字義は「覆う、覆うもの」であって、『冖』と同音同義である。江戸時代の和算家は「冪」の略字として「巾」を用いていた[14]。
第二次世界大戦後の漢字制限政策のもと、これらの字は常用漢字・当用漢字に含まれず、1950年代以降の学習参考書などの出版物では仮名書きで「べき乗」または「累乗」への書き換えが進められ、結果として初等数学の教科書ではもっぱら「累乗」が用いられた。
「冪集合」、「冪級数」などの高等学校以下で扱われない多くの概念に対しては、「冪」の部分が置き換えられることはなく、例えば「べき乗集合」や「累乗集合」などといった表現はあまり生じていない。
定義
自然数乗冪
実数(または積
ウィキソースには、新式算術講義/第十一章の原文があります。
- Weisstein, Eric W. "Exponentiation". mathworld.wolfram.com (英語).
- Exponential maps in nLab
- exponentiation - PlanetMath.
冪指数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 00:51 UTC 版)
冪指数を意味する用語として、英語ではしばしば exponent と index が同義語として用いられる。この用語選定は18世紀、19世紀を通じて極めて曖昧で個人の嗜好に委ねられていた。しかし、ガウスは、その著書 Disquisitiones Arithmeticae において通常の冪指数と数論的な指数を峻別する必要性から exponens は通常の冪指数、index は数論的な指数を表すものとして明確に区別し使い分けて解説に使用しており、この使い分けはディリクレ、デデキント、ヒルベルトを通じて数論の世界での標準となった。 もとをたどれば、1544年にミハエル・スティーフェルがラテン語: "exponens" を造語し、対して1586年にラザルス・シェーナーが数学者ペトルス・ラムスの書籍への補注としてラテン語: "index" を(スティーフェルが exponens と呼んだものと同じものを指す意味で)用いたのがそれぞれの語源と考えられる。exponent と index はこれらの英語翻訳であり、例えば index はサミュエル・ジーク(英語版)が1696年に導入した。 exponent と index の微妙な使い分けと併用の時代はここから始まり、その併用のされ方は国と時代だけでなく個人によっても異なった。イギリスは当初 index が優勢であり、これは聖バーソロミューの大虐殺で殉死したラムスの著作がプロテスタント諸国で非常に人気を集めたからだとの指摘がある。
※この「冪指数」の解説は、「冪乗」の解説の一部です。
「冪指数」を含む「冪乗」の記事については、「冪乗」の概要を参照ください。
冪指数と同じ種類の言葉
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