高階導函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 00:51 UTC 版)
函数 f の n-階導函数はふつう f(n) と書かれるように、冪記法は冪指数を括弧で囲んで書くこともある。
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高階導函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 09:38 UTC 版)
f が V の開部分集合 U の各点において微分可能ならば、その導函数 D f : U → L ( V , W ) {\displaystyle Df\colon U\to L(V,W)} は U から、V から W への連続線型作用素全体の成す空間 L(V, W) への写像である。この写像もまた導函数、即ち f の二階導函数を持つことができて、それは微分の定義により D 2 f : U → L ( V , L ( V , W ) ) {\displaystyle D^{2}f\colon U\to L(V,L(V,W))} なる写像となる。二階微分をうまく扱うことが容易になるように、上式右辺の空間を反カリー化により V から W への連続双線型作用素全体の成すバナッハ空間 L2(V×V, W) と同一視する。すなわち L(V, L(V, W)) の元 φ は、V の任意の元 x, y に対して φ ( x ) ( y ) = ψ ( x , y ) {\displaystyle \varphi (x)(y)=\psi (x,y)} を満たす L2(V×V, W) の元 ψ と同一視される(直観的には、x に関して線型な写像 φ が y に関して線型な値 φ(x) を持つというのは、x と y に関して双線型な写像 ψ を考えるのと同じであるということ)。 さらに再び D 2 f : U → L 2 ( V × V , W ) {\displaystyle D^{2}f\colon U\to L^{2}(V\times V,W)} を微分すれば、各点において三重線型写像を与える「三階導函数」が得られる。以下同様に、n-階導函数は V から W への連続な n-重線型写像全体の成すバナッハ空間に値を取る写像 D n f : U → L n ( V × V × ⋯ × V , W ) {\displaystyle D^{n}f\colon U\to L^{n}(V\times V\times \cdots \times V,W)} になる。帰納的に、函数 f が U 上で n + 1 回微分可能であるとは、それが U 上で n 回微分可能かつ、各 x ∈ U に対して n + 1 変数の連続重線型写像 A で極限 lim h n + 1 → 0 ‖ D n f ( x + h n + 1 ) ( h 1 , h 2 , … , h n ) − D n f ( x ) ( h 1 , h 2 , … , h n ) − A ( h 1 , h 2 , … , h n , h n + 1 ) ‖ ‖ h n + 1 ‖ = 0 {\displaystyle \lim _{h_{n+1}\to 0}{\frac {\|D^{n}f(x+h_{n+1})(h_{1},h_{2},\dots ,h_{n})-D^{n}f(x)(h_{1},h_{2},\dots ,h_{n})-A(h_{1},h_{2},\dots ,h_{n},h_{n+1})\|}{\|h_{n+1}\|}}=0} が V 内の任意の有界集合上で h1, h2, …, hn に関して一様に存在するものが取れることを言う。この場合 A が f の x における (n + 1)-階導函数になる。
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高階導函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 09:39 UTC 版)
高階のフレシェ導函数が、同型 Ln(X, Y) = L(X, Ln−1(X, Y)) の反復適用によって、多重線型写像として自然に定義されるのに反して、高階ガトー導函数はこの方法で定義することはできない。その代わり、X の開集合 U 上の函数 F: U → Y の h-方向への n-階ガトー導函数は (2) d n F ( u ; h ) = d n d τ n F ( u + τ h ) | τ = 0 {\displaystyle d^{n}F(u;h)=\left.{\frac {d^{n}}{d\tau ^{n}}}F(u+\tau h)\right|_{\tau =0}} で定義される。つまりこれは、多重線型写像ではなくて、h に関する n-次の斉次函数になる。 あるいはまた、少なくとも F がスカラー値函数である特別の場合には、高階導函数の別な候補として、F の二次変分としての函数 (3) D 2 F ( u ) { h , k } = lim τ → 0 D F ( u + τ k ) h − D F ( u ) h τ = ∂ 2 ∂ τ ∂ σ F ( u + σ h + τ k ) | τ = σ = 0 {\displaystyle D^{2}F(u)\{h,k\}=\lim _{\tau \to 0}{\frac {DF(u+\tau k)h-DF(u)h}{\tau }}=\left.{\frac {\partial ^{2}}{\partial \tau \partial \sigma }}F(u+\sigma h+\tau k)\right|_{\tau =\sigma =0}} が、変分法において自然に生じてくるが、しかしこの方法だと h および k のそれぞれに関して斉次になることを除けば、まともな性質が全く保証されない。D2F(u){h, k} が h と k に関する対称双線型写像となること、およびその対称双線型写像が dnF の極化形式(英語版)と一致すること、を保証する十分条件を持つことが望ましい。 例えば、以下のような十分条件が挙げられる (Hamilton 1982)。F は写像 DF: U × X → Y が積位相に関して連続であるという意味で C1-級であるとし、さらに定義式 (3) の定める二次変分が D2F: U × X × X → Y が連続となるという意味で連続と仮定する。このとき D2F(u){h, k} は h, k に関して双線型かつ対称である。双線型性のおかげで、極化恒等式 D 2 F ( u ) { h , k } = 1 2 d 2 F ( u ; h + k ) − d 2 F ( u ; h ) − d 2 F ( u ; k ) {\displaystyle D^{2}F(u)\{h,k\}={\frac {1}{2}}d^{2}F(u;h+k)-d^{2}F(u;h)-d^{2}F(u;k)} が満たされ、二次変分 D2F(u) が二次微分係数 d2F(u; −) に関連付けられる。同様のことが高階導函数に関しても成立する。
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